そういえば、倉橋由美子氏の新刊エッセイ集、「夢幻の宴」を読んでいたら、思
いがけないことが書いてあって、驚いた。
倉橋氏は、健康の状態がたいへん悪くて、もう小説を執筆できそうにない体調なのという。
想像しがたい奇怪な症状と日々の心境、それからとても覚えられないような病名が書いてあった。
なんだか倉橋氏の小説の中に出てきそうなぐらいに、状況が現実離れしている
ので、もしかしてフィクションなのではないかと思ったけれど、「あとがき」にも
やはり同じことが書いてあり、事実のようだった。
前回出た「最後から二番目の毒想」が、ほんとうに、最後から二番目にならない
ことを祈るばかりだ。
(1996年3月24日)
※過去日記を転載しています。