湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

「小説家なろう」で読んだ作品の感想メモ

今月は大量に読んでいるのに、感想メモを書けていない。

 

後でまとめて書こうと思って後回しにするのが良くない。読んだ直後は感想が頭のなかにたくさんあるのに、時間が経ってしまうと、それがどんどん薄れてしまって書くのが億劫になるのだ。

 

今度から、一作品読むごとに書こうと思う。

という決意をこれまで何度もやったような気もするけど、気にしないことにする。


「婚約破棄され続けたループ令嬢は、今世は諦めることにした。」(作者:かのん)

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n8105ge/

 

書籍化もされている作品。

 

お話の冒頭に、この作品のテーマがはっきりと書いてある。

 

現実と空想の間、そこに一つのバグ。バグから生まれた世界は現実となり得るのか。

 

それはおそらく、人の思い次第。

 

ゲームの世界に転生する異世界恋愛ものは多いけれども、この作品の登場人物たちは全員が、開発中のゲームの中のキャラクターたちであるらしい。本来、ただのプログラムであるはずなのに、彼らにはなぜか感情があり、独立した意志もある。

 

ちょっとワクワクする設定だ。

 

ヒロインと王子が恋に落ちる。

悪役令嬢が二人の仲を妨害しても、恋する二人はそれを跳ね除けて、結ばれる…

 

そんな定番ストーリーのはずなのに、なぜか悪役令嬢が自由意志を発揮して悪役を全うしないために、物語が完結しない。

 

発売日が迫っているのに、どうしてもバグを修正できないことに焦った開発者たちは、純粋無垢なヒロインに、現実世界の知識や事情に加えてらバグを滅するための武器まで持たせてしまう…

 

公爵令嬢のルミナは、王太子のステファンに婚約破棄される人生を、何十回も繰り返している。

 

ルミナがどんなに努力しても、ステファンの愛は腹違いの妹のソフィーに向かう。そして婚約破棄が為された次の瞬間、ルミナは王太子と初めて出会う日に連れ戻され、再び婚約者となってしまう。

 

まさか自分がゲームのキャラなどとは思わないルミナは、繰り返される人生の虚しさに耐えきれなくなり、婚約破棄を回避するための努力を全て放棄することにした。

 

その結果、婚約破棄どころか、王太子との婚約すら規定通りに進まず、ルミナの腹違いの妹ソフィーと王太子との関係も予定通りに進展しない。

 

ゲームのヒロインでもあるソフィーは、開発チームによって現実世界の事情と、バグ修正機能を搭載されていたため、バグである姉を放置していては、ゲーム発売が中止になり、世界が消滅してしまうと思い詰め、とんでもない行動に出てしまう……

 

物語を書いたことのある人は、自分が作ったはずのキャラが、いつのまにか勝手に動いて話を進めているように感じたり、こちらが動いて欲しいように動いてくれないように感じるというのを、多かれ少なかれ経験するのじゃないかと思う。

 

考えてみれば、創作物のなかのキャラクターたちは、心ある存在として物語世界の中に生み出されているのだから、その世界のなかで思い通りに動くのは、当たり前だと言える。キャラクターの精神力が作者の予想を超えた強さを持ってしまえば、作者があらかじめ予定したプロットから、勝手に外れることだってあるかもしれない。

 

そして、たぶんそういう作品のほうが、面白いのだろうと思う。

 

今気づいたのだけど、この作品、現在、電子書籍版がKindle Unlimited(読み放題)で利用できるようだ。「なろう」版と読み比べてみようと思う。

 

 

 


「脇役令嬢の失恋」(作者:夕燼)

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n2993be/

 

ハッピーエンドではあるものの、切ないお話だった。

 

「主役」は異世界転移してきた勇者の少女で、「脇役」は勇者に婚約者を譲って身を引くことになってしまった令嬢。

 

勇者の少女は、世界を救うために共に旅した公爵が、自分の婚約者の令嬢を心から愛していることを知りながら、異世界で孤独に生きるのがつらすぎて、公爵との結婚を望んでしまう。

 

公爵は、強制的に異世界に召喚されたことで人生を狂わされた勇者の少女に責任を感じていたけれども、共に過ごす時間が長くなるにつれて、勇者の少女をかけがえのない存在と思うようになり、婚約者を捨てて共に生きることを選んだのだった。

 

最愛の婚約者を奪われた令嬢は、深い心の傷を押し隠して辺境伯に嫁ぐ。辺境伯はそんな妻の気持ちを察していたわり、心の傷が癒えるまで待つつもりで、大切に慈しんでいる。二人は少しづつ心を寄せあい、信頼関係を築いていった。

 

二組の夫婦の問題は、放っておいても時間が解決してくれるはずだった。

 

けれども勇者の少女が、時間を巻き戻した上で、元の世界に帰る方法を手に入れてしまったために、彼らは改めて生きる道を選択することになる。

 

「主役」の勇者の少女は、辺境伯に嫁いだ「脇役令嬢」に、最終的な選択の権利を委ねる。

 

時間を巻き戻して、最愛の公爵と結ばれる人生を選ぶのか。暖かく愛してくれる辺境伯との生活を選ぶのか…

 

「脇役令嬢」の選んだのは、四人の誰もが痛みを抱えながらも幸せになる道だった。

 

登場人物の誰もが悪ではないし、不実でもない。だから切ない。

 

どうしても「ざまあ」要素が欲しいわけでもないけど、そもそも自己都合で異世界から勇者を召喚するだけして帰還させることができないシステムが駄目なので、そんなシステムを運用している誰かをもっと叩いて置いてほしかった気がする。

 

「小説家になろう」で読んだ作品の感想メモ

 

 

優等生だった子爵令嬢は、恋を知りたい。~六人目の子供ができたので離縁します~ (作者:完菜)

 

全36話。

 

最終的にはハッピーエンドだけど、途中、胸糞要素満載だった。

 

「マザコン夫」「愛人」「濡れ落ち葉」といった単語が地雷になってる方にとっては、取り扱い注意な作品かも。特にワンオペ育児中の女性が読んだら、中盤あたりまでは激怒モードが続くかもしれない。

 

経済破綻寸前の子爵家の令嬢であるセレスティーヌは、資金援助を条件に、素行に問題のありすぎる公爵家の嫡男との結婚を承諾する。

 

公爵令息のエディーは、仕事ができないだけでなく、とめどもなく複数の女性と関係を結び、子を孕ませるダメ男だった。セレスティーヌが嫁いできた時点で、愛人の一人が妊娠しており、その後も立て続けに四人、母親の違う子どもをもうけた。

 

生まれた子どもたちは、全てセレスティーヌが自分の手で養育し、愛人たちは夫エディーとともに別館で悠々自適な暮らしを送っていた。

 

夫は育児には全く協力しないばかりか、本宅に顔を見せることも稀だった。

 

セレスティーヌはそんなエディーと本当の夫婦になる気になれず、白い結婚を選んだけれど、もともとセレスティーヌに全く興味のないエディーは頓着しなかった。

 

エディーは、実の母親である公爵夫人に完全にスポイルされて育っていた。父親である公爵には若い頃から愛人がいたため夫人には見向きもせず、公爵家の仕事も夫人に丸投げしてした。気丈で有能な公爵夫人は、夫に愛されない虚しさを息子で埋めるべく、母親なしではいられないような人間に育て上げたのだ。

 

そんなエディーは、母親とはタイプの違う、儚げで依存的な女性たちに惑溺する無能な男に育ってしまった。公爵夫人は、息子エディーのために、都合よく安全に付き合える愛人たちを手配することさえしていたのだけど、エディーがそれを知ることはなかった。

 

セレスティーヌは夫不在の20年間の結婚生活で、夫の愛人たちが次々と産む子どもたちを、渾身の愛情を込めて育てながら、公爵家の女主人としての役割を一人で果たし続けてきた。

 

けれども、夫に6人目の子どもが出来たから育ててくれと、軽い態度で言われた途端、セレスティーヌは、とうとう我慢の限界が来たことを悟った。

 

セレスティーヌは離婚を決意し、夫に引き止められることもなく公爵家を出て行った。すでに立派に成長していた公爵家の子どもたちは寂しがりはしたものの、愛する母親の選択を支持し、励ましてくれた。

 

公爵家を出たセレスティーヌは、そのまま実家に戻らず、友人を頼って隣国に向かい、そこで運命の出会いを果たすのだけど……

 

このままあらすじを書くのもなんなので端折るけれども、セレスティーヌの運命の相手には、行き遅れの王女が吸血ダニのようにはりついて不幸をもたらしていたので、それを駆除するのに一悶着あったのと、離婚後のエディーが女性問題を持て余して元妻に処理を押し付けようと濡れ落ち葉化して迫ってきたのを、セレスティーヌ自ら鉄拳制裁で駆除する必要があったということだけ書いておく。

 

他にもいろいろな出来事があったけれども、セレスティーヌの第二の人生は、きっと良いものになったと思う、たぶん。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n5497hk/

 

 

 

行き場を失った恋の終わらせ方(作者:当麻月菜)

 

全1話。

ものすごく丁寧に書かれた失恋のお話だった。

 

エステルの婚約者は誠実なく男性として評判が高かったけれども、別の女性に心変わりしても誠実で、心変わりしたことを正直に告白し、婚約解消を申し出てきた。

 

彼はエステルの父親にとことん罵られても、エステルの弟にぶん殴られても、誠実な態度を微塵も崩さず、婚約解消後は家の力を使ってスキャンダルを完全にねじ伏せ、エステルの立場を守り抜いた。

 

けれども、元婚約者は心変わりした理由についてだけは、一言も話さずに去って行った。

 

のちにエステルは、元婚約者が思い人と無邪気に過ごす姿を目の当たりにして、自分が選ばれなかった理由を知ることになる。

 

愛する男性の良き妻になりたい一心で、恋心を押し隠して、完璧な令嬢としての姿しか見せたことのなかったエステルでは、元婚約者の恋情を引き寄せることは出来なかったのだった。

 

短編なので、次の恋が始まる前にお話が終わってしまうのだけど、エステルさん、今度は素直に甘えられるといいなと思う。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3168hm/

 

 


「こだわりが謎である」(作者:黛ちまた)

 

全36話。

 

結婚した日の夜、次期侯爵の夫に「貴女を愛することはない」と宣言されたコルネリアの、紆余曲折ありまくりの結婚生活を描いた作品。

 

夫のシュテファンが新妻にそんなことを言うに至った事情が、かなり痛かった。

 

夫が学生だったころ、平民あがりの男爵令嬢が、魅了という邪法を使って、当時の王太子や側近候補の令息たちを無差別に誑かして回ったために、貴族社会のパワーバランスがガタガタになるという事件が起きた。

 

シュテファンだけは、渦中にあっても男爵令嬢の邪法に屈することがなかったけれども、邪法に洗脳されておかしくなっている王太子たちを正気に戻そうと意見し続けたために、王太子に疎んじられ、世間でも役立たずの側近候補と厳しく非難され続けた。

 

その後、邪法の状況が露見したため、主犯の男爵令嬢は処刑され、誑かされた王太子や令息たちは正気に戻ったものの、社会を混乱させた責任を取って、廃嫡されてしまった。

 

シュテファンの名誉は回復したものの、騒動で受けた心の傷は深く、対人関係が苦手になり、女性への恐怖感もあって、結婚を避け続けていた。

 

シュテファンにとっては、王太子たちの人生を完全に狂わせた恋愛というものが、恐怖でしかなかった。

 

だから、結婚初夜に新妻のコルネリアに向かって「貴女を愛することはない」と言ったのだけれども、シュテファンの事情を知らないコルネリアが、その言葉をどう理解するかということについては、全く思い至らなかった。

 

コルネリアには、よく出来た姉や妹と比較されて、何の取り柄もない令嬢と蔑まれながら育ったという経緯があった。

 

夫シュテファンの言葉を、自分には愛されるだけの価値がないという意味で受け止めてしまったコルネリアは、それでも貴族の政略結婚に愛がないのは当たり前と割り切り、良き妻になろうと気丈に努力する。

 

ところが、世間の目は地味なコルネリアに対して非常に厳しく、社交の場では常に批判や陰口に晒され続け、次期侯爵の妻の座を妬んだ令嬢たちに危害を加えられることすらあった。

 

そんなコルネリアをいたわるシュテファンだったけれども、世間の仕打ちに疲れ果てたコルネリアに、なぜ自分を妻に選んだのかと聞かれて、馬鹿正直に本心を語ってしまう。

 

シュテファンが男爵令嬢の魅了の邪法にかからなかったのは、生まれてから一度も恋心を抱いたことななかったためなのだという。

 

尊敬の念を持って仕えていた王太子が、邪法に支配されてトチ狂い、人生をドブに捨てる様子を目の当たりにひたシュテファンは、恋そのものを強く忌避したけれども、次期侯爵として妻を娶らないわけにはいかなかった。

 

そこで、地味で何の取り柄もないコルネリアであれば、恋心を抱く要素がないと判断し、結婚相手に選んだのだというのだ。

 

それを聞いたコルネリアは、ぽっきりと心が折れた。もはや社交界で叩かれながら夫を支えて続ける気力などなく、離婚を決意して実家に戻ってしまう。

 

……そういう絶対零度といってもいいような状況から、幾多のすれ違いを経て、シュテファンとコルネリアは相思相愛の夫婦になっていく。最後の方は、砂を吐きたくなる勢いで甘かった。

 

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n1228hf/

 

「小説家になろう」で読んだ作品の感想メモ

 


悪役令嬢ブームの中、ヒロインを割り当てられました ~目指すのはスローライフ筋肉系モブヒロインなんですが~(作者:niku9)

 

全16話。

難病で早逝した主人公が、神様の計らいで、乙女ゲームみたいな設定の異世界でヒロインの役割を与えられて、貴族令嬢として生き直すことになるお話。

 

乙女ゲームであれば、攻略対象のイケメンとの遭遇イベントで好感度を上げるのが定石だけれど、前の人生でほとんど寝たきりだった主人公には、恋愛よりもやってみたいことがたくさんあった。

 

友だちと遊んだり、土木作業をしたり、モフモフする生き物と戯れたり。

 

そんな彼女の行動は、はたから見れば令嬢らしからな奇行そのものだったため、見かねた周囲の人々が何かと構うようになり、気がつけば攻略対象の王子たちも、ライバルのはずの悪役令嬢も、サポートキャラたちも、かけがえのない友だちになっていて… 

 

主人公の過去生は切ないけど、最後まで楽しいお話だった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4460hf/

 

 

君の席は私の隣(作者:律子)

 

全1話。

 

高慢な公爵令嬢フィリーアローゼは、王太子の婚約者を決めるお茶会に着いた途端、ゲームやネットのある世界で穏やかに暮らしていた前世の記憶を取り戻すと同時に、自分の立ち位置が悪役令嬢そのものであることに気づいてしまう。

 

これまで通りの高慢なキャラでは到底幸せにはなれないと悟ったフィリーアローゼは、にわかに軌道修正を図るものの、高位貴族のお家芸である、社交の場での陰湿な足の引っ張り合いに巻き込まれ、集中砲火を浴びてしまう。

 

ところが、水面下が熾烈な戦場と化したお茶会のガゼボに、フィリアローゼの初恋の人だった王弟が現れたことから、戦況が激変。絶妙な言葉の揚げ足取りで王太子を凹ませた王弟は、華麗にフィリアローゼを救出して戦線離脱。フィリアローゼの初恋は思いがけない形で実ることになる。

 

短いお話だけれど、登場人物たちのその後にもそれぞれ軽く触れられていて、深みのある余韻が残って楽しかった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n2811hm/

 

 

「めでたしめでたし。あるいはめでたくはなかった話。」(作者:alco)

 

全1話。

 

バカ王子が身勝手に婚約破棄した相手が、単身で世界を滅亡できるレベルの戦闘能力を持つ公爵令嬢だった場合どうなるか、と言うお話だった。凄かった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3292hk/

 


「理想的な婚約者という理由で婚約破棄され、王女の身代わりで獣人国に行ったけどモフモフに溺愛されてしあわせになった件」(作者:ぽんた)

 

全3話。

バカ王子に献身的に尽くし続けてきたにもかかわらず、あっさり婚約破棄された主人公は、生贄として獣人の国に送られるのだけど、事情を全て把握していた獣人国で丁重に保護されて、モフモフを堪能する幸せな日々を送ることに。

 

一方、祖国のバカ王族たちは、きっちり「ざまあ」を受けて王宮から一掃され、議会民主制が行われるようになる。めでたしめでたし。

 

「ざまあ」系異世界恋愛もので、社会制度が変わる作品は珍しいので、印象に残りそう。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n9648hk/

 


醜いと言われて婚約破棄された伯爵令嬢です。(作者:暮田呉子

 

全6話。

 

巨漢の伯爵令嬢ナディアは、DV傾向のある婚約者にエスコートされているときに、うっかり転んだはずみに婚約者のズボンにつかまり、引きずりおろしてしまう。

 

人前でお尻を丸出しにされた婚約者は大激怒。

ナディアはその場で太めの容姿を散々に罵られた上、婚約破棄されてしまう。

 

傷心のナディアは領地に引きこもって心を閉ざしていたけれど、使用人たちのはからいで知らないうちにダイエットに成功したばかりか、母親ゆずりの類まれな美貌を手に入れていた。

 

三年後、王宮のパーティに招待されたナディアは、自分がまだ醜いと思い込んでいるため、自分に視線が集まるのを避けようとした。

 

けれども久々に再会した元婚約者が、ナディアの美しさに目の色を変えて迫ってきたため、思わぬ騒ぎに巻き込まれてしまうことになり……

 

だいぶ危険な場面もあったけど、ナディアは容姿に左右されることなく大切に思ってくれる第二王子に救われて、結ばれることになる。

 

元婚約者がDV男じゃなくて、もっと良識のある人間だったら、容姿を散々罵倒されて婚約破棄に至ることもなく、ナディアはダイエットをする機会もないまま、不健康に太り続けていたかもしれない。

 

そう考えると、ナディアの人生にとってDV男の元婚約者は、重要な存在だったことになるわけで、家ごと取り潰されて牢屋行きという末路は、多少気の毒な気もするけど、結局は誹謗中傷と婦女暴行未遂の結果だから、気にするほどのことでもないだろう。うん、めでたしめでたし。

 

ただ、愛娘が食べ過ぎの運動不足でまともに歩けない程太っているのに、「人は見た目じゃないわ」とだけ言い聞かせて、健康管理を丸っと放棄していた母親は、ちょっとどうかとは思う。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n0809hm/

 

「小説家になろう」で読んだ作品の感想メモ

読むスピードに全然追いつかなくて、現状火砕流に水鉄砲程度だけど、めげずに頑張って感想をメモっている。

 

元婚約者から逃げるため吸血伯爵に恋人のフリをお願いしたら、なぜか溺愛モードになりました(作者:当麻リコ)

 

全49話。

面白かった。

毒親と元婚約者のDVから逃れるために、吸血鬼と噂される伯爵の元に転がりこんだフレイヤが、伯爵家の人々の猟奇的で手厚いケアを受けるうちに、ボロボロだった自尊心を取り戻して、自らの力で幸せをつかむ勇気を得る。

 

サド系変態の元婚約者とか、嘘とエロしかない妹とか、いろいろと気持ち悪い人物が登場するお話だったけど、最後の最後で本心をチラ見させるフレイヤの兄が、他の誰よりも薄気味悪かった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n5702hl/

 


あなたが今後手にするのは全て私が屑籠に捨てるものです(作者:音無砂月)

 

全34話。

 

実の父親に虐待され、義妹に婚約者を奪われた挙句、殺人マニアの男に嫁がされて惨殺されたはずのスフィアが、時間を巻き戻して人生をやり直すお話。

 

前回の人生が酷すぎるので、やり直しの二回目で少々理不尽な状況に追い込まれても、余裕でかわして対応できてしまうスフィア嬢の打たれ強さに痺れた。

 

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n0715hk/

 


虐げられた男装令嬢、英雄に拾われる(作者:niku9)

 

全16話。

男装の令嬢ディートが養家で虐げられていた理由が最後の方で明らかになるのだけど、想像以上にドロドロと根深くて、救いがなかった。

 

諸悪の根源はディートの祖父だったらしい。才能のある次男だけに期待をかけ、少し劣る長男を使い捨ての駒のように扱ったため、長男とその嫁は、次男一家に深いわだかまりを抱くようになる。次男夫婦が事故で亡くなったあと、忘れ形見のディートを引き取った長男夫妻は、姪に対して一家を挙げてDV搾取祭りを敢行。

 

なかでもディートの義姉の人格のゆがみっぷりや嗜虐性が、なかなか半端なく凄かったけど、祖父の代から積み重なっていた愛憎の呪いのせいだと思えば、彼女も被害者だったと思えなくも…いや、やっぱり厳しいかも。

 

ディートを救う英雄もなかなかキャラの濃い人物だったけど、ディートの実家のドロドロの前では少し影が薄かったような気がする。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n8828hk/

 


「婚約破棄ですか?もちろん慰謝料を支払う心積りですよね?」(作者:琴葉)

 

定番の「真実の愛」ものだけど、婚約破棄する側の王子のお花畑っぷりと、破棄された側の令嬢のビジネスライクな感じが、どちらもかなり振り切れていて良かった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n5470hl/

「小説家になろう」で読んだ作品の感想メモ

読んで楽しんだからといって、即座に感想が書けるとは限らない。だから読みっぱなしの作品が溜まってしまう。きっとそういう部分の頭の練度が足りないのだろう。鬱のせいばかりではない。

 

Kindleで読んだ本もかなり溜まっている。

あちらは月一で月末にまとめるという自己ルールがあるので、余計に後回しになっている。

 

そして、紙の本の感想メモを書いていないことについては密かにスルーしている。。。

 


婚約者から「平民を愛人にしたい」と言われました~私はお飾りの妻になるつもりはありません、真実の愛を貫いて破滅してください~(作者:参谷しのぶ)

 

全17話。

 

結果から言うと、主人公は確かに婚約者を破滅させたけれども、「真実の愛」は最初から存在しなかったので、貫かれることはなかった。

 

主人公は別の人と結婚し、高位貴族としての立場や体面は保たれたものの、夫を精神的に信頼することは難しそうだった。

 

そんなわけで、かなり辛口なお話だった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3574gz/

 


真実の愛を見つけたので君との婚約は破棄させてもら……あれ、おかしいぞ?
(作者:カセ)

 

全1話。

魅了の魔法をかけられて婚約者を捨てようとしていた貴公子たちが、幼いころから培ってきた真実の愛によって救われたお話。

 

魅了持ちの女性が逆ハーレムを狙って大コケするお話は多い。この短編の男爵令嬢も極刑になるらしい。略奪愛で逆ハーレムなんか作らずに、婚約者のいない相手を選んで普通に恋人になればいいのにと、婚約破棄ものを読むたびに思うけれども、もしかしたら魅了という能力は、何がなんでも全部自分のものにしないと気が済まない病気と抱き合わせで授かるものなのかも、などと思った。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n5579hl/

 


悪い予感は良く当たると申しますけどそもそもの原因はあなた自身です
(作者:かにくくり)

 

一緒にいるだけで悪い予感が頻発するような相手からは離れるのが正解、というお話だった。

 

ファンタジーに限らず、現実でもそれに近いことはあるように思うので、顛末に納得感があった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n6002hl/

 


スキルがキモいという理由で王子から婚約破棄をされた巫女が実家に帰った結果王国が消滅した話 (作者:かにくくり)

 

全40話。

 

王子にキモいと言われたスキルは、いわゆる「口寄せ」で、主人公のシルヴィアは、そこいらに漂っている霊を自在に自分の中に下ろして会話することができる巫女だった。

 

霊たちは、自分の子孫に常に寄り添って幸福を願い、毎年「お盆(ソウルトレイ)」を迎えるたびに、シルヴィアの「口寄せ」で子孫と語らうことを楽しみにしている。だから国中の死者たちは、シルヴィアの味方なのだった。

 

そんなシルヴィアを嫌って王都から追放したダメ王子は、国王に即位してすぐ国を滅ぼして消えることになるのだけど、40話の中編なので、その過程のドタバタもしっかり描かれていて、楽しかった。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n7094hg/

 


私の婚約者は、根暗で陰気だと言われる闇魔術師です。好き。(作者:瀬尾優梨)

 

全10話。

見た目も性格も陰気で陰険な闇魔術師の純愛と、彼を心から愛する気丈な伯爵令嬢のお話。ハッピーエンドだけど、泣けた。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4033hl/

 


「ミスター・パーフェクトの完璧ではない婚活」(作者:彩瀬あいり)

 

全1話。

自己管理を徹底した自己完結的な生活を送る男性が、全く同じシチュエーションでの見合いを機械的に続けるうちに、予期せぬ相手が最高のパートナーだと気づく話だった。

 

全然関係ないしキャラも被ってないのに、オリラジの「パーフェクトヒューマン」を思い出した。

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n6797hl/