「小説家になろう」のWEB小説や、Kindle Unlimited(読み放題)の本を読みすぎて目に悪いので、「なろう」と「読み放題本」については、
「読んだ本の感想を書かなければ、次の作品を読んではいけない」
という鬼ルールを導入することにした。
Kindle読み放題で読んだラノベ - 湯飲みの横に防水機能のない日記
さっそく今日読んだ作品についての記事を書くことにする。
yocco著「 捨てられ聖女ですが、今さら戻れと言われてもお断りです! 〜婚約破棄されたので、魔王城でスローライフを満喫します〜【WEB版】」
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n7305gr/
「小説家になろう」に掲載されている完結作品。全49話。
不遇な聖女に転生した、元OLの流離譚。
異世界ラノベでは定番のストーリー展開ではあるけれど、主人公が前向きで生産性が高いタイプだからか、飽きずに心地よく読み進められた。そういう女性のお話は、いくらでも読みたいのだ。
主人公の聖女ユリアは、国に酷使され続けた挙句、魔力が枯渇して使い物にならなくなったという理由で、王子との婚約を破棄された上、魔王に嫁がせるという名目で、国を追い出されてしまう。
魔王としては、押し付けられた人間の嫁など迷惑でしかなかったものの、ユリアの悲惨な境遇を知って同情し、嫁ではなく客として、不自由なく暮らせるよう、家臣に命じて手配させた。
婚約破棄された直後、日本の社畜OLだった前世の記憶を取り戻していたユリアは、スローライフの夢が魔王領で叶うことに歓喜して、様々な物作りに手を染める。
まずはコスメ。薔薇の花やハーブ類を蒸留して化粧水を作成。次に、椿の種を魔法で生成して加工し、ヘアオイルを作成。
過労で衰えてしまった肌や髪をケアするために作ったコスメ類は、魔王城のメイドたちをも虜にしてしまう。
それから、膨大な書類仕事に忙殺されている魔王のために、嘆願書のフォーマットを統一し、政策に関する判断や指示権利を担当部署にある程度移譲することを提案。おかげで魔王の業務負担が一気に軽減されてしまう。
そして、農業と料理。土地の痩せている魔王領でも育つじゃがいもとさつまいもの種芋を魔法で生み出し、栽培方法と料理法を普及させる。
からあげやマヨネーズ、酵母を使ったふわふわのパンなど、異世界ラノベで活躍することの多い食品たちもいろいろ登場。
スローライフを求めるユリアの発想が魔王領をどんどん幸せにする一方で、ユリアを放逐した人間の王国では、国王や一部貴族の悪政によって、国民たちが貧困に喘いでいて…
ざまぁ要素は薄め。
ユリアを使い潰した国の上層部は権力の座から追われて、現実を直視した若い世代が国を立て直していくことになる。
魔王と正式に結婚したユリアは、双子をみごもるのだけど、産前に医師に相談して、「会陰切開」をしてくれるように頼み、無事に出産していた。
異世界恋愛ラノベで「会陰切開」なる用語が出てくる作品は、なかなかないと思う。もしかしたら、作者様も経験されているのだろうか。私も三人産んで三回経験したけれど、あれはなかなか辛かった。産後すぐにヒールで完治させていたユリアがかなり羨ましい。
「小説家になろう」版を読み終わったあとに、書籍化されていることと、Kindle Unlimited(読み放題)利用できることに気がついたので、そちらもダウンロードして読んでみたら、 あちこち書き加えられて面白くなっていた。
「捨てられた聖女ですが、今さら戻れと言われてもお断りです!〜婚約破棄されたので、魔王城でスローライフを満喫します〜」(ベリーズファンタジー・スターツ出版)
魔王様のイラストの容貌が、「なろう」版で読んだ印象より、だいぶ妖艶な感じになっていて、ちょっと意外だった。書類仕事に忙殺されていて、女性に全く興味を持たない生真面目な性格という印象が強かったからだけど、中盤以降、ユリアにぐいぐい迫って、ユリアをあたふたさせていたから、基本仕様は妖艶系ななだろうと納得した。
蛇足だけど、ユリアが城の使用人たちと椿油を作ってヘアケアしていたのに感化されて、さっきスーパーに買い物に行ったついでに、黒ばら本舗のツバキオイルヘアクリームを買ってしまった。
ぬれた髪、乾いた髪のどちらでも使用できるタイプとのこと。
ユリアなみにパサパサ髪なので、頑張ってケアしてみようと思う。