ゆうべ、なかなか眠れなかったせいで、いろいろ読み漁ってしまった。
「婚約者に浮気された令嬢は異国の強面盟主に溺愛される〜呪いで猫になりましたが、毎日モフられています〜」(作者:禅)
全20話。
呪いで猫にされた貴族令嬢のミランダは、家の者たちに家を追い出されたあと、相思相愛だと思っていた婚約者が自分の他に二股も三股もかけていた腐れ外道であることを知り、絶望する。
その後、異様に猫好きなコワモテの男に保護され、彼の屋敷でこの上なく愛玩されながら暮らすうちに、保護者共々外道な婚約者が絡んだ陰謀事件に巻き込まれることになり…
「小説家になろう」には、他にもいくつか呪いで猫化する婚約破棄ものの作品があったように記憶しているけれども、私が読んだどの作品もヒロインがそれぞれに個性的で面白かった。この作品のミランダも、引っ込み思案で自分の意見がなかなか言えないかわりに、非常に達筆で文通による意思の疎通が大好きなところや、文字を鑑定する能力が高いところなどが、事件解決に深く関係してきて、なかなか痛快だった。
それにしても、婚約者は本当にどうしようもなく下衆だった。ミランダ、男性を見る目が全くなかったんだなあ…
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n0761hk/
「森に追放された元聖女ですが、冷淡だったはずの魔法使いがなぜか訪ねてきます。」(作者:道草家守)
全1話。
政治的な理由、というか、国を守護する聖女という存在を管理する連中の身勝手な都合で、穢れ森への単身赴任という、事実上の処刑宣告を受けた聖女が、高いスキルで穢れを浄化しつつスローライフを送っていたところ、なぜか犬猿の仲だった高位魔法使いや、対立関係にあった元同僚の聖女が押しかけてくるようになり…
短いお話だけど、心の通い合うまでのドラマを経て迎える「ざまあ」からの大団円をきっちりキメであった。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4774hk/
「落ちぶれ」才女の幸福 陛下に棄てられたので、最愛の人を救いにいきます」(作者:瀬尾優梨)
全51話。
書籍化もされているので、Amazonの書籍情報も貼ってみた。
公爵令嬢のセリアは、琴を奏でることで精霊の力を借りて人を癒す力を持つ聖奏師の長として、王城で働いている。
セリアは若い国王の恋人でもあり、いずれ王妃に迎えたいと言われているけれども、結婚すれば聖奏師長を引退し、別の聖奏師に引き継がなくてはならないなどの事情もあるためか、二人の関係は城では秘密にされていた。
そんなとき、セリアに匹敵するほど高い能力を持つ平民の娘が、新しい聖奏師として城に迎えられる。彼女は、未熟ながら献身的に人々に尽くしたけれども、そのやり方が聖奏師としての規範から逸れたものだったため、聖奏師長のセリアと対立するようになる。人々は若い聖奏師を支持し、セリアは汚名を着せられて聖奏師の資格を剥奪され、身一つで王城から追放される。恋人のはずの国王は若い聖奏師に乗り換えて、セリアをあっさり見捨ててしまった。
二年後、国を出て平民として働いていたセリアの元に、幼いころから親しくしていた騎士が会いにきて、セリアへの恋心を隠そうともせずに寄り添ってくれるので、セリアも密かに慕うようになる。
けれども、実はその幼馴染の騎士こそが、自分に汚名を着せて転落させた張本人であり、恋心どころか強い殺意すら抱いていたということを、セリアは知ってしまい…
最後の最後まで、かなりハラハラするお話だった。
セリアの恋人だった国王は、当初の想像をはるかに超える屑野郎っぷりを発揮して、最後の最後まで株を下げる勢いを止めず、やっと死んだと思ったら生き返って更に株を下げ切ったし、下心でセリアに近づいてきた騎士も、いっぺん死んだほうがいいんじゃないと思う程度には最低だと思っていたら、本当に最重度クラスの死亡フラグ所有者だったし。
恋愛的には、一応ハッピーエンドではあったものの、セリアのあまりにも悲惨な苦労を癒しきるに足る幸福なのかどうか、ちょっと不安だった。てか、私個人の好みとしては、相手に不満あり。彼が全部悪いわけじゃないけど、セリアには別の出会いがあってもいいんじゃないかと。
不眠で調子のよくない朝の五時から読んだから、自分の恋情と感傷最優先で、よく考えたらヒロインを心や幸福を守るための行動を一切してないヒーローに辛口になっちゃったかも。
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保健委員が異世界に召喚されると、「健康観察簿」の称号を受けるようです(作者:瀬尾優梨)
全1話。
「委員会バッヂ」をつけていたばっかりに、「その胸に紋章を刻む者」に認定されて訳のわからない異世界に召喚された女子高生たちが、魔物だけでなく理不尽な王家の連中をぶっ飛ばして、無事に元の世界に戻るお話。
人質として、一人だけ投獄されていた主人公が「保健観察簿」を手に必死で仲間を遠隔防御する姿は圧巻で、読んでいて熱くなった。できれば長編で読みたいお話だった。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n6554ed/
「ババァはもういらねぇ!」と捨てられた『聖女』と呼ばれた薬師、自害しようとしたら失敗して幼女になったがおかげさまで第2の人生幸せになれそうです!(作者:古森きり@ガンオンで読切掲載中)
全1話。
聖女であり、有能な薬師でもあるにもかかわらず、高齢を理由に、森の奥に捨てられてしまった主人公は、獣に食われて死ぬよりはと、攻撃魔法を自分に向けて自害を図る。
ところが目覚めると、80代だった彼女は、若返って幼女の姿になっていた。訳の分からないまま通りすがりの旅の商人に拾われて辺境の村に運ばれ、そこで養われながら、至高の性能を持つフルポーションを作って暮らすことに。
一方、聖女を追放した国では、薬師の工房にポーション制作の知識もレシピも残されていないことに愕然とする。
その後のことは書かれていないけど、長い間追放した聖女のポーションに依存しきって、医療体制が完全に退化していたようなので、たぶんそのまま詰んだのだろう。
続きがあれば読みたいな。
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