こんにちは。
日記じゃなくて、週記になりつつある…
近頃はX(旧Twitter)を備忘録がわりにしていて、あとからこちらにちゃんと書こうと思ってはいるのだけど、後回しにしているうちに月が変わってしまった。
本やネット小説を読んでいる時間がやたらと長くて、書き物に意識が行かないせいもある。
読んだものを記録をしておかないと、紙の本の重複買いをしそうなので、今月はちょっと頑張ろうと思う。
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読みかけの本。
猪瀬浩平「野生のしっそう 障害、兄、そして人類学とともに」ミシマ社
書店で手に取って、これは読むべき本だと思って購入した。
著者は、私よりも少し(だいぶ?)若い人類学者だという。
まだ冒頭を読んだだけだけど、一文、一行に込められた思いが深く、心を引き寄せられ、突き動かされる作品だと感じた。
生まれた時から一緒にいる兄が障害児と呼ばれていて、自分がそうではないと知った時、兄との心のつながりが切れて無くなってしまうような、自分のいる世界がバラバラになってしまうような恐怖にかられたという。
いわゆる「きょうだい児」と呼ばれる立場の子が、年上のきょうだいの障害を受容する際に、そういう形で心が危険に晒されるということを、これまで考えたことがなかった。なので、少し驚いた。
うちの場合、息子の障害について、長女や末っ子に改めて説明したことはなかったと思う。
息子より一つ年上の長女は、発語のほとんどないまま同じ小学校の特殊学級(特別支援学級)に入った弟のことを、ごく自然にそういうものだと受け止めていたように思う。
息子より七つ年下の末っ子も、私の知る限り、兄のあり方について、違和感を持った様子はなかった。
本当のところ、どうだったのかは分からない。
でも、重度知的障害、自閉症という息子の診断名が、うちのきょうだいを分断した形跡はない。
ついでに言うなら、末っ子がADHDと診断された時も、長女が自閉スペクトラム症と成人後に診断された時も、特に、なにも変わらなかった。
うちは、そういう家庭だ。
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一昨日だったか、X(旧Twitter)をつらつらと眺めていたら、「最悪の結果」という文字列がトレンドになっていて、何があったのか気になって記事を追ったら、漫画家さんが自殺されたのだという。
亡くなった方は、ドラマ化された漫画の原作者で、シナリオに関してトラブルになっていたのだという。
痛ましすぎる…
Xでは、原作のファンと思われる方々が、シナリオ作家やドラマ製作者、出版社を強く批判していているのをたくさん見かけた。
もともと漫画のファンは、好きな漫画作品の実写化に対して、シビアな視線を送ることが多いけれども、トラブルの末に原作者が亡くなってしまい、しかも原作は未完だというのだから、怒りは計り知れないだろうと思う。
XやSNSで怒りを表明している漫画家さんたちも見かけた。
その中でも、「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰氏のnoteの「死ぬほど嫌でした」という文章は、強烈だった。
出版社は作品の運用を独占的に委託されているという論理で動いていました。
契約書には都度都度、漫画家に報告し許諾を取ることが書かれていました。
が、それは守られませんでした。
すでに企画が進んでいることを理由に、映像化の契約書に判を押すことを要求されました。
嫌だったけど、「映像化は名誉なこと」という固定観念がありました。
映像化決定のプロセスが嫌なだけで、出版社もいろいろ動いてくれたんだろうなと。
原作使用料は確か200万円弱でした。
作品が自分の手から奪われていく感覚がありました。
「漫画と映像は全くの別物である」と考えました。
そうしないと心が壊れてしまいます。映画はDVD化されてから観ました。
クソ映画でした。
僕が漫画で描きたかったこととはまったく違いました。
作者抜きで企画が進み、後出しで契約書に判を押すことを求められ、状況的に拒否するのも難しい…
大ヒットした作品であっても、ここまで原作者が蔑ろにされるものだとは…
そうして出来た映画「海猿」は、Amazonの商品説明によれば、「2010年実写邦画No.1特大ヒット! 興収80.4億円、動員537万人突破」だったという。
原作者にとっては受け入れ難い「クソ映画」だったとしても、華々しい興行成績が映画の価値を高めてしまい、その影響で原作漫画の売上も伸びて、原作者の意向を無視した映画化がますます是とされてしまうのだとしたら、皮肉な話だ。
私は、どちらかというと映画よりも小説や漫画の方が好きなので、今回の件ではどうしても漫画家さんを贔屓したくなる。
漫画や小説を原作とする映画やドラマがヒットしているのを見かけたら、まず原作を読むことにしようと思う……って、考えてみたら、いままでもずっとそうしていたのだった。
「ブラックジャックによろしく」も、漫画は全巻読んだけど、ドラマは一切見ていない。
良かったけど、読むのがつらい作品だったなあ…
ドラマ化や映画化が全て悪だとは思わないけれども、原作を生み出した方の心を殺すようなやり方ではなく、敬意を持って尊重しながら作品を創るという形にならなければ、きっとまた似たような問題が起きることだろう。出版社やテレビ局には、変わっていってもらいたい。
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今回の事件に関連した形で話題になっている漫画があったので、さっそく読んでみた。
佐藤秀峰「Stand by me 描クえもん」1-3 佐藤漫画製作所
現在、Kindle unlimited(読み放題)で読むことができる作品。
実在する漫画賞や、「海猿」の映画化の経緯を思わせるような、極めて胸糞の悪いエピソードが出てくる。
この物語はフィクションです。
…ということでよろしく。
各巻に、上の注意書きがあるのだけど、作中に描かれている凄まじい怒りと悔恨、心が裂けちぎれるような痛みが、すべてフィクションだとは到底思えない。
この漫画が実写映画化されることは、まずないだろうけど、もしも実写化されたら、漫画雑誌の編集者の役をする人たちの顔だけは見てみたい。漫画の中の編集者たち、顔がほとんど破滅してて、人間じゃなかったから。