エリート外交官は落ちこぼれ魔女をただひたすらに甘やかしたい(作者:三沢ケイ)
全35話で、書籍化もされているようだ。
魔力のない落ちこぼれと家族に蔑まれながら育ったカトリーンは、父親の意向で変態貴族に嫁がされそうになり、家出を決行。自分と同じ落ちこぼれのワイバーンに乗って隣国に行き、薬師として活躍するうちに、魔法薬の絡んだおかしな流行病に巻き込まれ…
カトリーンを助ける美形のエリート外交官は慢性疲労症候群っぽいし、流行病はひどい睡眠障害だったけれども、どちらもカトリーンに癒されて一件落着。私もカトリーンの魔法薬が欲しいと切実に思いつつ読了。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4907fx/
「逢瀬を目撃した二人」(作者:有沢真尋)
全1話。
王城の庭で公爵令嬢が誰かと盛大に乳繰り合っているのを目撃してしまったセシリアは、自分の横に公爵令嬢の婚約者である王子が困惑顔で立っているのに気づいて大混乱。
王家にかかわる不倫スキャンダルは極秘に処理されることになり、政治的に見てはいけない逢瀬を見てしまったセシリアは、そのまま王子に拉致されて王城に監禁されてしまい…
予定調和的なハッピーエンドだったけど、短いお話のなかできれいに決まってお見事だった。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n1007hk/
「このたび、別居婚となりました。」(作者:有沢真尋)
家の都合で決まった結婚とはいえ、一度も伴侶に会わないまま相手の両親との同居がはじまり、しかもその家に夫の姿どころか気配すらなく…
ブラックすぎる職場のせいで引き起こされた悲喜劇だった。一応ハッピーエンドだけど、先々が思いやられる感じではあった。夫婦で国を出た方がいいかも。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3161hb/
「何でもいい」と仰いますけど(作者:立草岩央)
全1話。
エリア・ファロウは、全てに「なんでもいい」と投げやりな婚約者の態度に傷つきながらも、政略結婚なんてそんなものだと諦めていた。
ところが、突然の王命でエリアの婚約は破棄されることになり、かわりに人の気持ちを理解しない冷血漢で知られる公爵との結婚があてがわれることになる。
どのみち情の通わない結婚をすることになるのだからと、覚悟して公爵家に入ったエリアだが、公爵の態度は冷たいどころか新妻への気遣いと慈しみに満ちていた。
人の気持ちを理解できないからといって、必ずしも人の心を踏みにじることを良しとする人間ではなく、むしろ理解できない自分に苦しみ、孤独を抱えていたのだった。そんな公爵の真実の姿に気づいたエリアは…
「どうでもいい」と投げやりだった元婚約者が受けた報いが痛快だった。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n2978hk/
「私は信頼されていなかったのですね、殿下。~囮にされた侯爵令嬢は役目を終えたので出奔し、やがて本当の恋を知る~」(作者:はるの霙)
全36話。
王太子との婚約披露パーティーの直前、侯爵令嬢リーフィアは毒を盛られて倒れてしまう。
毒で身動きできずにいた間、リーフィアは、周囲の会話から恐ろしい事実を知ってしまう。心から愛し合って婚約をかわしたはずの王太子殿下の心が自分にないばかりか、真に愛する女性の身代わりとして、意図的に毒殺事件の囮にしていたというのだ。
失意のリーフィアは、侯爵令嬢としての人生を捨てて出奔することを決意。
隣国までの護衛を依頼した青年と、思いがけず温かな日々を過ごすうちに、リーフィアは自然とその青年(実は隣国の要人)を信頼し、慕うようになる。
一方、リーフィアの出奔と、その理由を知った王太子は、闇堕ちせんばかりに動揺する。王太子の気持ちはリーフィア一筋だったのに、毒殺の危険があることをリーフィアに知らせないまま王宮に渦巻く陰謀を解決しようとしたために、とんでもない誤解を生んでしまったのだ。
いろいろあって、最終的にはおさまるべきところにおさまるのだけども、決め手は相手への愛の重さではなく、信頼関係を築こうとするお互いの意志だったのが、とても良かったと思う。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n9287hi/