通院
タクシーで、かかりつけの内科に行ってきた。
入り口で、検温係の看護師さんに、「今日はどうされましたか」と声をかけられた。どう説明しようか、3秒くらい考えてから(周囲に他の患者さんがいないことを、ちょっと確認した)、
「実はコロナで入院していた病院のお医者さんに、今までもらっていた投薬の調整のことで早急に通院するようにと、紹介状を持たされまして」
と答えた。看護師さんに、「もう大丈夫なんでしょう?」と聞かれたので、「感染力はないと言われています」というと、「じゃ、その紹介状を受け付けに出してくださいねー」という言葉とともに、院内に普通に入れてもらった。首筋で測られた熱は、平熱だった。
受け付けの人に診察券を出すと、
「あ、血液検査のオーダーが入ってますけど、先に受けますか?」
と聞かれたので、受けますと答えて、採血室に行った。
今日の採血担当は、若い男性のお医者さんだった。二十代半ばくらいだろうか。かなり緊張している様子で、
「アルコール消毒は平気ですか?」
と、三回も聞かれた。三回、「平気です」と答えながら、たぶん三回は失敗されるだろうと予想した。
その通りになった。(´・ω・`)
昨日、左腕で採血したばかりなので(左右1回づつ失敗の上、3回目に左で成功した)、今日は右腕を出したのだけど、どう針を刺しても、血が一滴も出ない。針を抜いた跡にも、血が滲みもしなかった。
「左でやってみていいですか」
と、申し訳なさそうに言われたので、左腕を見せながら、
「昨日も左で採血したんですけど、なんか血管が硬くなっちゃってるそうで、だいぶ苦戦されました」
と説明したのだけど、
「でも、ここにはっきり血管があるんですよね。ここ、やってみていいですか」
と言われた。たぶん無理だとは思うものの、ここで断ると、針を刺すと痛い手の甲に行かれると分かっているので、半ば博打のつもりでオーケーした。
結果、左腕の二箇所に針を刺して、二回とも血が全くでなかった。血管が神回避したらしい。針を抜いたあとにも血の気配がない。
そろそろ自分が生きてる人間なのかどうか、疑いたくなってくる。
そういえば、今年は一回も蚊に刺されていない気がする。毎年、息子の送迎バスを待っている間に、結構な頻度で刺されるのに。蚊にも見限られていたのだろうか。(´・ω・`)
「おかしいな、血管ここにあるのに……」
若いお医者さんは、解せぬという表情で私の腕を見ていたけれども、結局、
「手の甲に、しっかり見えてる血管があるので、こちらでとらせてください」
となった。
私の手の甲には、確かに見た目にわかりやすい血管がある。でもそれは、実は見掛け倒しというか、詐欺みたいな血管なのだ。
手の甲の血管を狙って刺した針を通って、注射器に血液が流れ込むと、お医者さんは、
「取れました!」
と嬉しそうな声を上げたけれども、血はすぐに止まってしまって、なかなか増えない。いつもそうなのだ。
その状態から、注射針の角度を変えながら、ピストン部分をぐいぐい引かれると、半端ない痛みが来る。だから手の甲で採血されるのは避けたかったのだ。(;_;)
一応控えめに、
「あー、ちょっと、痛いです」
と言ってみたけど、
「あともう少しですから!」
と言われた。そりゃそうだ。もう一回刺し直しなんて、私も嫌だし、お医者さんも嫌だろう。言ってみることで、痛みをやり過ごしたかっただけだ。
なんとか必要量が取れたときには、ぐったり疲れていた。
お医者さんにいっぱい謝られたけど、こちらの方が申し訳ない気分になる。ほんとに、この採血しにくい血管、なんとかならないものだろうか。
採血の結果が出るまで、待合室の端っこで待った。私の他には患者さんが2人しかいなかったので、十分に離れて座ることができた。
診察室に呼ばれると、紹介状を読み終えた先生に、「大変だったねえ」と言われたので、「えらい目に遭いました」と答えて、5人家族のうち3人陽性で、発症は私だけだったこと、息子がお世話になっている福祉サービスのスタッフの方からもらったと思われること、退院後一週間目の昨日撮ったCTで、肺炎の跡がガッツリ残っていると言われたことなどを話した。
で、問題の甲状腺ホルモンの血中濃度だけれど、今日の採血の結果が分かるのは数日後なので、その数値を見てから判断しましょう、ということになった。入院先の病院でもらった追加分のチラージンは、もうすぐなくなるので、そのまま飲みきってのしとのこと。
来週また受診しなくてはならない。
今日より元気になっているといいな。
夜
晩ご飯。
ビーフカレー、サラダ、りんご。
リモート講義の合間に亭主が作っておいてくれた。
末っ子は期末試験の返却が今日から始まったという。試験直前の二週間、自宅待機で授業を受けられなかったのに、いまのところ赤点は一つもないそうだ。1番危惧していた物理もギリギリセーフだったとのこと。物理の先生に「よく点を取れましたね」と驚かれたそうだ。
学期末には、高校と塾の両方で、三者面談がある。塾は徒歩5秒だし、高校のほうはzoomでやるようだけど、咳き込みが治っていなかったら会話不能なので、どちらも亭主に出席してもらうつもりだと言ったら、末っ子が大層嫌がって、とーちゃんではなく私にでて欲しいという。
「でもこんなじゃ喋れないし」
「ワシが全部喋るから!」
そんな三者面談はおかしいだろう。(´・ω・`)
でもまあ、頑張って元気になろうとは思う。
コロナはただの風邪と同じ?
なんか、そんなつぶやきをたくさんツイッターで見かけたんだけども…
「ただの風邪」が、場合によっては非常に恐ろしいものであるということを、私はこれまでの人生で、何度も命がけで体験してきている。幼少期には風邪から髄膜炎をやり、少し成長してからも年中気管支炎に悩み、大人になって無顆粒球症になった時にはマジで風邪で死にかけた。
そして、これまでに、高熱の出る「ただの風邪」やインフルエンザに、数えきれないほどかかってきた虚弱な私だけど、間質性肺炎なんぞという恐ろしいものに罹ったのは、今回が初めてだ。
「ただの風邪」を侮るべきではない。
そして、コロナは「ただの風邪」とはだいぶ違う。
過度に恐怖する必要はないけれども、合理的に用心すべき感染症であるのは間違いない。「ただの風邪」も、コロナも。
おやすみなさい。
(_ _).。o○