こんにちは。
へんなタイトルをつけたけど、ただのめまい記録です。それと、映画見た記録。
(_ _).。o○
めまい日記
朝、布団の上で上体を起こそうとした途端、天井がぐるんと回って、うひゃあ、バタン! となった。
久々の大きなめまいだ。
立ち上がると危ないので、再び布団に横になったけれど、寝ていても、頭の中がアイスクリームメーカーみたいに回っていて、大変に気持ちが悪い。
完全におさまるまで、二時間ほどかかった。
前にこうなったときには、お昼を過ぎても脳内が高速メリーゴーランド状態だったから、さすがにヤバいと思い、長女さんに肩を貸してもらって総合病院に行ったけど、検査中に回転がぴったり収まってしまい、CTでも異常なしだったため、結局なにも治療しないことになった。
あの時は、いささか理不尽に思ったものだ。
めまいの検査は、めまいが起きている最中でないと、できない(結果が出ない)と言われたけど、世界が高速回転している真っ最中に、素早く病院に行くのは難しい。病院に来てからおさまる程度のめまいなら、問題ないということなのか。そのあたり、良くわからない。
病院的に問題ないのだとしても、自分としては問題大アリだ。回転する世界で家事をするのは困難だし、転倒でもしたら危ない。
で、自分なりの予防法として、冷やさないことや、耳のあたりをマッサージして血行を良くすることを心がけていたけど、そういえば、マッサージ、ここ数日サボり気味だった。昨夜はだいぶ部屋が寒かったようだから、三半規管がらみの神経が、反乱を起こしたのだろう。多分。
セルゲイ・ポルーニンの映画
めまいがあると、横になってiPhoneで文字を書くのも大変だ。書けないこともないけど、気持ち悪いから楽しくない。活字も読みにくい。
でも何もしないでいるのもつらいので、みようと思っていた映画を一つ、みることにした(Amazonプライム・ビデオ)。
「セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」
バレエの世界には疎く、どちらかというと退屈を感じてしまうような私でも、この人の踊りには目が引きつけられてしまう。
ロシアの貧しい家庭に生まれながら、家族全員の献身に後押しされて、類まれな才能を伸ばすのに最高の環境を与えられて、イギリスでスターとなったのに、その先に待っていたのは、家族の離散と、虚しさや身体の痛みに耐えて踊り続けるだけの日々だったという。
家族との確執、全身に入れたタトゥ、コカイン、荒れた生活、そしてバレエ団の電撃退団。
引退して普通の人生を手に入れようと決意し、最後のつもりで、自分の感情を思うまま表すように踊った作品が、動画として公開されると、数千万回視聴され……そのことに勇気を得て、また舞台に戻ったと語られ、映画は終わった。
その後のセルゲイ・ポルーニンが、ちゃんと人生を自分のものにできたのかどうかが気になり、検索してみたら、滝川クリステルによる二年ほど前のインタビュー記事が見つかった。
そのインタビューで、セルゲイは、各地で公演する傍らで、「プロジェクト・ポルーニン」という組織を立ち上げ、過酷で閉塞した環境からダンサーの人生を守るために、マネージメントをする活動をしていると話していた。
その活動が実を結びながら広がって行くことを祈りたい。
この映画を見ていて、山岸涼子の「牧神の午後」という漫画を思い出していた。
本が手元にないので確認できないのだけども、ニジンスキーの伝記を元にした作品だったと記憶している。
恐ろしいほどの才能がありながら、家族とは会話もなく、支援者や理解者にも恵まれず、搾取ばかりされて、病んで孤独に人生を終えるダンサーの物語だった。「プロジェクト・ポルーニン」の試みが成功すれば、ニジンスキーのように終わってしまうダンサーはいなくなるだろう。
なかなか電子化されない漫画
山岸涼子氏の漫画は、若い頃ずいぶん買って読んでいたのに、東日本大震災のあと、ほとんど手放してしまった。
あのとき、我が家のあたりは震度5強で済んで、家も家族も無事だったけれども、書斎と車庫は本棚の本が総崩れして、まるでナイアガラの瀑布のような光景だった。
その光景に危険を感じて、というのではないけれども、人生いつどうなるかわからないのだから、手に余るほどの物を抱えて暮らすべきではないという気持ちが強くなって、自分の蔵書を相当量手放した。いま思うと、あれは地震のショックで引き起こされた虚無感みたいなものだったのかもしれない。
で、心の中で血を流すような思いをしてまで減らした以上、今後は紙の本は極力増やすまい、どうしても書い直すならkindle版でと決めた。
でも、手放した作品が、電子化されるとは限らない。
kindleのコンテンツで、「山岸涼子」を検索すると、ご本人の作品は一冊もでてこない。電子化されていないのだ。
でも「見つかりませんでした」の文言は表示されず、そのかわりに、なぜか萩尾望都氏や近藤ようこ氏の作品が表示される。読者層が重なるからだろうか。よくわからない。
自作を電子化しない漫画家さんには、きっと紙媒体への深い思いがあるのだと想像する。
電子化されることで失われてしまう作品の価値というのは、たしかにあると思う。
単行本まるまる1冊無料公開されていたり、2冊分ほどの定額料金でシリーズ全作読み放題可能となるようなシステムというのは、作者さん側にとっては、やるせないものだろう。読んでる私ですら、申し訳ないと思うくらいだから。
電子化された作品が優位になっていけばいくほど、紙媒体に関連した産業や技術の衰退ということも、先々には深刻になってくるのかもしれない。もうなっているかもしれないけど。
でも、いつか紙媒体で再版されなくなって、だんだん読まれなくなっていってしまうくらいなら、どこかの時点で電子化してほしいとも思う。
鳥図明児作品とか。
「睡蓮運河」また読みたい。
だらだらと、とりとめなく書いてしまった。
そろそろ立ち上がっても平気な気がする。
起きよう。