こんにちは。
全身麻酔による息子の歯科治療は、3時間ほどで無事終了した。(一つ前の呆れるほど悲壮感溢れる日記をご参照ください)
今後の治療や、虫歯予防など、いろいろ不安は残るけれども、とりあえず一山超えたので、安堵している。
現金なもので、麻酔から覚めた息子が微笑んだのを見た途端、胃の痛みがふわっと消えた。
「はいしゃさんは、がんばった」
と、息子が言った。
ほんとに頑張った。
歯医者さんも、麻酔の先生も、スタッフさんたちも、息子も。
怪我をする人も出なくて、ほんとによかった。
前回の手術のときは、目がさめるなり強引に帰ろうとしていたから、今回もそうなるかと思ったけど、ならなかった。横になって天井を眺めて、なんだかにこにこしながら、「はいしゃさん」とつぶやいている。
力ずくで押さえ込まれたことや、予期しない筋肉注射を打たれたことが、今後の他者不信具合にどの程度尾を引くかは未知数だけど、いまの息子の様子を見ていると、なんとかなりそうな気がする。
二十数年生きてきて、息子もいろんな経験をしてきている。知能テストで測れる能力は果てしなく低くても、過去のエピソードについては、私など遠く及ばないほど、克明に記憶している人だ。汎化の能力が弱いとされる自閉症であっても、その膨大な経験の記憶から、なにかしら、「これは、こういうものだ」というまとめを成し遂げているだろう。
はいしゃさんは、悪の組織ではない。
麻酔医の先生も、邪悪な刑事ではない。
たぶん、そう、理解している。
(ちなみに息子は刑事ドラマが大嫌いだ)
病院の休憩室で、お借りした寝具を抱きしめながら、マットの上でゆったり休んでいる息子を見ていたら、お腹がすいてきた。
運転する前に、なんか食べよう。