湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ことばの療育

 
息子(7歳)のお迎え完了。
学校と公文の宿題完了。
長女さん(8歳)帰還。
一人で宿題完了。昼寝開始。
末っ子(4か月)の、本日何回目かわからないおっぱい完了。


本日のイベントは、夕方からの息子の療育教室を残すのみ。帰宅は八時半ぐらい。


息子は、もう何ヶ月も前から、家でも、療育教室でも、物を見て、ぱっと名前を言う練習をしている。

 

たくさんの単語を知っているはし、知識もあるのに、必要に応じて言葉に出すことができない。

 

たとえば、蟻の写真を見せられて、それが「あり」だということはよく知ってるはずなのに、「これ、なに?」と聞かれると、言葉がでてこない。あるいは、「はさみ」と答えてしまったりする。

 

もちろん、蟻が「はさみ」に見えるわけではないし、わざとデタラメを言っているわけでもない。必要に迫られて何かを言おうとすると、本人にはどうしようもない理由で、言いたくもない単語が口から飛び出してしまうらしい。

 

聞き取ることはかなり上達してきているし、聞いた音声をすばやくひらがなで書き取ることもできる。絵カードを複数見せて「りんごはどれ?」などと質問すると、まず間違えずに選択できる。なのに、絵カードを示されて「これはなーに?」と聞かれても、全く正答できない。


息子が、ある種の失語症に近い問題を、脳内に抱えているらしいと気づいたのは、昨年のことだ。ネットで失語症に関する書籍を取り寄せ、何冊か読んで見たら、私が想像する以上に、息子の失語症的側面が強いことが分かった。

以来、言葉の出ない問題については、失語症の人と同じ障害部位が脳内にあるのかもしれないということを頭に置きつつ、適切な訓練の方法を模索しつづけている。


訓練せずに放っておけば、おそらく息子は、言葉を使わない人生を選択することだろう。オウム返しはたやすいから、いくらでもやってくれる。でも自分から言葉を話すことは、息子にとっては大変な負担だし、失敗することが多いから、できる限り避けたいのである。

 

自分の行動が理想するイメージと違うことを、息子は極端に嫌う。失敗を自分に許さない。だから、失敗しそうなことは、最初からやろうとしない。そんな息子が張り巡らしている壁を、なだめたりだましたりしつつ、ちょっとづつ突き崩しては、話すことを成功させ、自信をつけさせていく・・・・気の長い仕事である。


最近になって、苺の写真を見て、パッと「いちご」といえることが増えてきた。正答率は六割ぐらい。「すいか」は五割。「かさ」で三割ぐらいだろうか。つい四ヶ月ほど前までの正答率は、すべて一割以下だった。


じわじわと、息子の脳内に、言葉をあやつるためのプログラムが組み上げられつつあるように思う。

 


(2005年05月18日) 

 

※過去日記を転載しています。

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