湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

友人紹介

 

長女さん(6歳)のおちゃらけ仲間のM君が、K君の話をおしえてくれた。

 

K君は、おゆうぎをしない。うたをうたわない。ゲームや遊びに、加わらない。なにもしない。


運動会でも、すべての競技で見学に回ってるのを、私は見ていた。

 

「K君はね、いつも、こうなっちゃうんだ」

 

と、とてもやさしい顔をしながら、M君はいった。

 

クリスマスのお芝居がはじまると、K君は帽子のゴムを噛みはじめた。噛みながら、舞台のはじっこで、なんとなくみんなの様子をながめていた。

 

家にかえってから、長女さんに、K君のことを聞いてみた。

 

「よくわかんない。でも、言葉はわかるみたいだよ。弟とは、ちょっとちがうかも」

 

とのことだった。K君とも、うんとなかよくしてねと、長女さんに言ったら、長女さんはうなずいたけど、なんとなく曖昧な顔をしていた。そして、

 

「あのね、じつはね、言葉しゃべれないような気がするおともだちが、もう一人いるんだ」

 

 といった。誰なの、と聞くと、長女さんはちょっと間をおいてから、

 

「Cちゃん」

 

と答えた。Cちゃんは、幼稚園のクラスのなかで、たった一人だけ長女さんと親しくなれた女の子のともだちなのだと、前から長女さんに聞いていた。じゃあCちゃんとお話したことないの、と聞くと、B子は、

 

「話すみたいなんだけど、よくわかんないのよ」

 

 という。会話になっていないらしい。

 

「でも、折り紙とかいっぱいして、あそぶんだよ」

 

 たしかに折り紙に、言葉はいらない。

 

 K君は、自分からはなんにもしないから、長女さんとしても、接点をみつけるのがむずかしいのだろう。
 
 クリスマス会のあいだに、私は、K君の好きなものをいくつか見つけた。
 お人形と、お話だ。
 長女さんにも、教えてやろう。

 

(2002年12月12日)