ストーリーらしきものがあるのは前半だけ。
南北戦争のあと奴隷の境遇から解放された黒人男性たちが、ジャズ演奏で儲けながらアフリカに渡ろうとして遭難し、幕末日本に漂着してしまう。
彼らを保護したのは、なぜか街道の真上に建つ城の大名。
やたら細長い城の廊下を通らなければ、薩摩藩士は江戸にたどり着けず、江戸から薩摩藩にも帰れない。そんな立地にあって、維新の嵐に見舞われながらも、ここの大名は、ひたすら中立の立場を貫き、篳篥ばかり吹いている。それはとっても下手くそだった。
大名は、篳篥をクラリネットに持ち替えて、黒人たちのジャズバンドに参加。
政情不安と飢饉で破綻しかけた藩政そっちのけで、城の全員でジャズは奏でられ、そこに捨て鉢に「ええじゃないか」と踊り狂う民衆たちや、山下洋輔やタモリまで加わって、一心不乱に惑溺するうちに、時代は明治に。終わり。
原作者は筒井康隆。
ジャズ大名は「エロティック街道」に収録されていたというから、確実に読んでるはずだけど、全く覚えてなかった。そりゃ忘れるだろう。中身ないもの。
面白かったけど、ちょっと長かったなあ、映画。