息子(5歳・重度自閉症)の幼児教室が、今日は午前十一時からだった。
十一時前後というのは、微妙な時刻である。
挨拶を、「おはようございます」にすべきか、「こんにちは」にすべきか、いつも、迷う。
教室の先生方も、人によって「おはよう」派と「こんにちは」派に分かれている。同じひとが、日によって「おはよう」といったり「こんにちは」といったりすることもある。
レッスン冒頭の挨拶がうまくいくと、息子としても気分がいいらしく、意気揚揚と教室に入っていく。失敗すると、後姿のしおれた息子を見送ることになる。
今日、私は「おはよう」のほうにかけた。
教室へ向かう車のなかで、息子といっしょに、「おはようございます」の発音練習を何度もした。
でも、ちょっと心配だったから、「こんにちは」も何度か練習しておいた。
果たして、今日の先生は、「こんにちは」派であった。
「◯◯くん、こんにちは!」
と呼びかけられた息子は、
「おは・・・・・んちは・・・っす」
と答えていた。
先生は、ズッコケていた。
しかし私は、この臨機応変の姿勢を、ほめてやりたいと思う。
(2003年1月10日)
※過去日記を転載しています。