息子(4歳・重度自閉症)は、よく知らないひとの前では、ことばを喋らないことにしているらしい。
遠くに住んでる、おじいちゃんやおばあちゃんがあそびにきても、じーっと黙ったままでいるほどである。
当然のことながら、三ヶ月に一回くらいの頻度で会う言語療法の先生の前でなんか、絶対にしゃべらないつもりである。いやがって、近くにも寄りたがらない。
けれど、相手は言葉のプロである。子供のプロでもある。うまーく遊びにさそって、息子の気持ちにいつのまにか入り込んで、いい気持ちにさせるものだから、息子もついつい緊張がゆるんで、うっかりひとこと、言ってしまった。
「あらー息子ちゃん、ねんねしたくなったのぉ?」
「うん、ねんね」
早起きしていた息子は、ほんとにちょっと眠かったのだ。
言ったあとで、息子は、「あ、しまった・・・・ま、いっか」という顔をしていた。
(2002年12月16日)
※過去日記を転載しています。