ゆうべ、おとーさんが新聞を読んでいると、息子(四歳・重度自閉症)もやってきて、なにげなく一緒にながめていたのだが、やがて「AIKI アイキ」という映画の広告の上で、息子の目線がぴたりと固まった。
なんでも、不慮の事故から車椅子生活を強いられている、身体障害の青年と、心ある人たちとのふれあいを描いた作品だそうである。青年は、「AIKI」、つまり合気柔術を通じて、生きる力を取り戻していくのだという。
心をバリアフリーにして
思いっきり泣いてください。
宣伝文句に、そう書いてあった。
息子は、この広告から、ずーっと目を離さなかった。ちょっと新聞から離れても、また同じ広告のところに戻ってきた。
ほかにも、いくつも映画の広告があったのに、どうしてこの映画にひかれたのだろう。障害者の映画だから? まさか。それとも、バリアフリーという単語を知っていたからだろうか。分らない。
いつかビデオになったら、息子と一緒に見てみようと思う。
(2002年12月14日)
※過去日記を転載しています。