本でも読もうと早起きしたら、長女さんも一緒に起きてしまった。
しかたないので読書は諦め、一緒に朝日を眺めた。
長女さん「あさなのに、ゆうひだねえ」
私「夕日じゃないって。朝日っていうんだよ」
長「ゆうひが、まちがってあさに出ちゃったのかねえ」
私「だから、朝日なんだってば」
長「あさひっていうなまえの、ゆうひだね」
私「・・・・」
妙な具合にガンコな長女さんである。
それからテレビをつけてみたら、早朝からアニメを次々とやっている。
へんなのをいくつか見たあと、セーラームーンが始まった。
生まれてはじめて、
「月にか わっておしおきよ!」
を見た娘は、声も出ないほど感動していた。グッズが欲しいと言い出すのは時間の問題だろう。
私も生まれてはじめてこのアニメを見たのだが、娘とは別の意味で感動していた。
なに しろ、無敵の戦闘集団が暴力沙汰に直面して、真っ先にやることが、全員そろってマニ キュアを塗ることなのだ。それから裸になって着替え。変だ、とっても。
次に、ガオレンジャーを見た。これも初鑑賞である。のっけにいきなり趣味の悪い怪人 集団と、赤ペンキで、
「ガオレンジャーの墓」
と書き殴った、粗末な墓標が出現する。墓標は魔術のような力で怪人に変貌し、名乗りをあげる。その名も、
墓石オルグ
笑ってしまう。感情過多っぽいレンジャーたちに寄ってたかって殴られてもびくともせず、
「ボディの固さが墓石の絶対条件だあ」
と自慢する。めちゃくちゃ強い。が、すぐに倒れる。長女さんが、
「墓石は、いいひとなの、 わるいひとなの」
と聞いた。ちょっと墓石に同情しているようだった。
なんだか妙にねばっこくて、深刻なドラマである 。
ストーカーみたいな男が少女に迫る。
どこの家でも人が死んでいる。
かと思うとみん なで遊園地で遊んでいる。
育児に失敗した親の悔恨や、家出娘の自分探し。
憑依現象。
そしてようやく怪人出現。変身。盛りだくさんである。
長女さんは弟に、ライダー寝巻きを買ってやることに決めたそうだ。
(2001年9月9日)
※古い日記を転載しています。