湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

今日の息子

 

ひきつづき、かなりナーバス。

 

家に帰るなり、部屋の電気消してカーテン閉めて、お気に入りの幼児ビデオ(ベイビーモーツアルト)をつけて、末っ子のガラガラと歯がため握って、布団にもぐりこんだ。

 

やれやれ。

 

息子の学校では、特殊学級は三クラスある。春先からいままで、ずっと三クラス合同で授業することが多くて、よく言えばにぎやかで楽しいのだけど、知覚過敏気味で、複雑な刺激に弱い、息子のような自閉の子にとっては、大変なストレスになる。

 

お世話好きなお兄ちゃんお姉ちゃんが多いから、四方八方から、ひっきりなしに声がかかる。ある程度以上の刺激が降りかかってくると、息子は、完全に受信を遮断して、自分の世界に入っていくのだけど、そうなるとお世話好きの子たちは余計に心配して、あれこれと手をつくして、息子を「こちら側」に呼び戻そうとしてくれる。

 

ほっぺたを両手で挟んで「こっち、むきなさいっ」と大声で呼んでくれる姉御もいれば、「ちゃんとしなくちゃ、だめじゃないかっ」と、喝を入れてくれる兄貴もいる。二の腕にぶら下がるようにして、息子をなぐさめようとしてくれる妹分もいる。まあ、客観的に見ると、「もみくちゃ状態」とも言える。

 

いま、息子は、薄暗がりの部屋で、モーツァルトを堪能している。


家にいるときぐらい、ゆっくり「自閉」させてくれい、という、息子のぼやき声が聞こえてきそうである。

 

 


(2005年05月26日) 

 

※過去日記を転載しています。

 

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息子とクレイジーケンバンド

 

タイガー&ドラゴンっていう曲。

 

最初、和田アキ子の新曲だと思った。

 

でもよく聞いてたら、「俺の俺の俺の話を聞けー」とか歌ってて、和田アキ子いよいよ開きなおって「俺」とか歌うようになったのかと思った。


その後、CDショップのレジ前に「ただいまかかっている曲は~」という案内表示があり、誤解は解けたものの、あんまり変な歌だったので、そのままCD購入。九曲入って、999円だった。


車のなかで、さっき息子(8歳・重度自閉症)に聞かせてみた。


嫌がるかと思ったら、天使のような声で合いの手いれながら聞いてた。意外と気に入ったらしい。


ちなみに、末っ子(4ヵ月)も気に入った模様。


変な歌なのに。

 

 

 

 

(2005年05月25日)  

 

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※過去日記を転載しています。

 

息子とDVDの続き

学校で、暴れまわって、くたくたになって帰ってきた息子(8歳・重度自閉症)。

 

手を洗って顔ふいて、トイレにいって、真っ先にやったのは、昨日の押尾コータローのDVDをつけることだった。

 

やっぱり気に入ってたのね。

 

いま、鑑賞しながら、シーツかぶって、くつろぎ中。

 


(2005年05月25日) 

 

※過去日記を転載しています。

 

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息子と明和電機

 

何年か前、友人に明和電機を教えてもらって以来、このグループは、我が家の子供たちの心のオアシスである。


このところ、息子(8歳・重度自閉症)は毎日のように「ツクババリバリ伝説」を聞いている。聞きながら、現社長の振り付けを真似っこしたり、こっそり小声で、


「ちゅくばーのかーぜにーふかれてえー」


と、ささやいたりしている。ビデオを見ないときも、そのケースを捧げ持つようにして、写真やプログラムに見入っていたりする。

 

 

ツクババリバリ伝説

ツクババリバリ伝説

  • provided courtesy of iTunes

 


大好きになって、すでに五年以上になる。途中、インド映画に熱中していた時期もあったけれど、いつのまにか必ず明和電機に戻ってくる。


そりゃ私も好きだけど、明和電機の何がここまで息子の琴線に触れるのか、正直さっぱり解らない。


社長の無表情さや、機械っぽい動きだろうか。

それとも、機械まみれのステージが、機械好きの自閉症児の心をくすぐるのだろうか。

衣装がいつも同じ色の作業服だというところも、ポイントが高いかもしれない。

まさか、社長兄弟が関西人だから、ということはないだろうけど。

 

(2005年05月25日)

 

※過去日記を転載しています。

 

 

息子とDVD


きのう、押尾コータローというギタリストのDVDが、アマゾンから届いた。この人の演奏する、戦場のメリークリスマスのテーマ曲を、息子(7歳・重度自閉症)が猛烈に気に入ってしまったので、どうせなら演奏している姿も見せたいと思い、購入したのだった。


ところが、きのうの息子は神経ビリビリの、こだわり大魔神状態。

視覚刺激が辛いらしくて、リビングの蛍光灯すら我慢できず、悲鳴をあげながら消してしまう。新しいDVDなんて、とても受け入れられる状態ではなかった。

 

それでもせっかく買ったのだからと、ためしに上映してみた。


案の定、オープニングの映像が始まった途端、息子がテレビに走りより、DVDデッキのスイッチをぶちっと切った。完全拒否の表情で、頑として受け入れないぞという構え。

 

それで、オープニングから見せるのをやめて、戦メリのところから再生してみることにした。すぐにスイッチを切られないように、息子を少しテレビから引き離して、くすぐりごっこで気をそらしているあいだに、亭主に戦メリの画像を出してもらった。

 

途端に、息子、目の色が変わった。

 

自分の好きな曲だというのは、すぐに分かって、右手で私の手を取り、ぽんぽんと自分の膝をたたきながら、リズムを取り始めた。曲のスピードが微妙に変わっていくのをちゃんと追いかけて、正確にリズムを取るので、驚いた。もしかしたら、曲、全部覚えちゃっていたのかもしれない。

 

戦メリの曲だけ三回繰り返し聞くと、やはり視覚刺激がつらくなったらしく、息子は映像を消して、曲だけ聞こうとしていた。でもそれがうまくいかないと、軽くカンシャクを起こして音を消してしまい、しばらくテレビ前で逡巡していたかと思うと、DVDデッキのスイッチをいれて、泣きながら、最初から見始めた。

 

DVDを見たい気持ちと、ひどい知覚過敏とで、葛藤した結果、見たい気持ちのほうが勝ったのだろう。でもやっぱりつらいから、泣いてしまっていたのだろう。


もっと体調のいい日に見せてあげたらよかったのだろう。

 

でも、息子の好きなものが、また一つ増えたことは、とてもうれしい。


(2005年05月25日)

 

※過去日記を転載しています。

 

 

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