こんにちは。
あいかわらず、ウォーキングで疲れている。🧟♀️
(_ _).。o○
今日の積読本。
ずっと前に買って、読まなくちゃと思うのに、何度も何度も挫折を繰り返している短編集。
目次を開くと…
母の縮小
母の発達
母の大回転音頭
この並びを見ただけで、本を書架に戻し、回れ右して居心地のいい自分の世界(リアル)に戻りたくなる。
生まれ育った家に、大気中の窒素の割合と同じくらい、言い換えるならそれを吸って吐くことを当たり前としなければ生きられないほどに女性に対する差別意識や偏見が充満していて、女親から四六時中ハラスメントの圧を加えられ続ける若い女性の話を読むのは、正直、とてもしんどい。
作者の笙野頼子氏は1956年生まれだという。
私はそれより6年後の生まれだけれど、高校のころ、「女は四年も大学に通う必要はない」「女の子が他県で一人暮らしなどもってのほか」「嫁に行くのに大層な学問はいらない」という考えの親を持つクラスメートの女子はそれなりにいたし、「有名な女子短大なら東京の大学に出してやってもいい」と親に言われて、そこを受験したという人もいた。その短大、調べてみたら、3年前に廃止されていた。
女子が四年制大学に行くのは普通のことになり、短大に通わせようにも次々と廃止されて通わせる先がなく、専業主婦が絶滅危惧種になりそうな時代が来るなんて、当時の親世代は考えもしなかったことだろう。私だって、40年でここまで世の中が変わるとは思わなかった。
心の底の沼地に沈んだ(というか沈めた)、暗い昭和の記憶が掻き立てられて浮かんでくるのが嫌で、読むのがしんどいというのもあるけど、笙野頼子氏の独特の文体で書かれる異形の「母」を読むのが怖いというのもある。「母の大回転音頭」とは、一体何事が起きるのか。どう想像しても死霊の盆踊りみたいなイメージしか出てこない。
なんて思っていたら、末っ子(20歳・大学2年)が、レポート課題で笙野頼子作品が出されたというので、この「母の発達」を押し付けた。
末っ子は無事にレポートを書いて提出したらしく、「二度と読みたくない」と言って、さっき本を返してよこした。昭和の闇を存分に味わったようで、何よりだ。
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今日のぬいぐるみは、BEANIE BABYのGracieさん。誕生日は1996年7月17日と、タグに書いてあった。