湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

ねこたま日記(12月12日)

 

 

こんにちは。

 

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今日は通院等の予定がないので、推しぬいと一緒に、午前中から古典に没頭している。

 

今日のミッションは、「宇津保物語」から、笛の音色を詠んだ和歌を見つけ出すこと。

 

雅楽といえば、横笛や篳篥、笙の笛の印象が強いけれど、笛を詠んだ和歌はかなりレアだったりする。

 

万葉集には三首あるけど、軍隊を整列させるために吹く小角(くだのふえ)の歌と、鹿狩りの時に吹く鹿笛の歌、食用の蟹が笛吹きになることを夢想するという歌で、音楽として奏でられている笛の音の歌は無かった。

 

古今和歌集新古今和歌集には、笛の歌が見当たらない。

 

他の勅撰和歌集では、ぽつぽつ見つかったけれど、笛の調べではなく、贈答品や遺品としての笛についての歌などの歌が多かった。

 

源氏物語」の「横笛」の巻では、亡き柏木の遺品の横笛を、彼の親友だった夕霧が、柏木の未亡人から譲り受けて吹く場面があり、笛の歌も詠まれているけれど、笛の音色に故人を偲びつつも、柏木の未亡人とどうにかなろうとする夕霧の邪念(?)が背景として見えているので、笛がメインの歌とは言い難い。

 

とりかえばや物語」では、主人公である男装の少女が笛の名手であるという設定があるので、笛の歌が詠まれていないかと、講談社学術文庫版の一巻と三巻を見てみたけれど、残念ながら見つけられなかった。二巻目が家の中で行方不明なので、発掘され次第、確認しようと思う。

 

「更科日記」では、笛の歌を二首見つけることができたので、いずれご紹介しようと思う。

 

で、「宇津保物語」である。

 

この作品は、清原俊蔭という伝説的な琴の名手が、波斯の国(ペルシャらしい)から持ち帰った秘蔵の琴にまつわる物語なので、楽器演奏の場面がたくさん出てくる。

 

メインは琴だけれども、琵琶や笛と合奏されることも当然あるので、笛の音色を詠んだ歌があることを期待して、岩波古典大系本全三巻の二巻目まで目を通したのだけれども……

 

琴や笛、琵琶など、楽器の名手たちが集った宴会で、見事な演奏が行われている場面があり、和歌もたくさん詠まれているのに、なぜか笛はスルーされていた。😭

 

あと一巻残っているので、これから確認しようと思う。

 

(_ _).。o○

 

声楽家のお友達が、和歌に曲をつけて歌うという素敵なプロジェクトをしていて、今回の笛の歌の捜索は、ささやかなお手伝いでもある。

 

以前にも、私が選んで【怪しい意訳】をつけてご紹介した和歌を、歌っていただいている。

 

youtu.be

 

 

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お友達の歌声の魅力としっくりくる歌を選びたいので、妥協せずにできる限り広く探すようにしているのだけれど、毎度自分の古典、歴史方面の基礎教養のなさに阻まれて、悪戦苦闘している。

 

老眼でも弱視でもなかった学生のころに、もっとしっかり読んでおけばよかったと、つくづく後悔しているけれど、5年後、10年後に同じ後悔をしたくないので、いま出来ることは惜しまずにやろうと思う。

 

 

Sternenwald あめのみに

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