宮沢賢治の短歌。
うしろよりにらむものありうしろよりわれらをにらむあおきものあり
明治四十四年一月より
ひらがなばかりでぬるっとしているので、漢字をあててみる。
後ろより、睨むもの有り。
後ろより、我らを睨む、青きもの有り。
一気に怖くなる。
この歌は、15歳くらいの時に詠んだものということになる。
何に睨まれていたんだろう。
明治四十四年(1911年)の3年後の、1914年には第一時世界大戦が始まる。
殺伐とした時代に追い立てられるように大人になっていくことへの不安が、「われらをにらむあおきもの」として感じられていたのだろうか。