末っ子から聞く学校生活のエピソードは、ちょっと理解しにくいことが多いのだけど、昨日聞いた話は、想像を絶するものがあった。
休み時間、近くの席から、こんな会話が聞こえてきたという。
「ねえ、顔色よくないけど、体調悪い?」
「うん、ちょっとね」
「もしかして、生理?」
「あー、うん」
「ナプキン持ってる?あげよっか?」
「いや、いい」
「お姉ちゃんのをいっぱい分けてもらったから、遠慮しなくていいよ」
「ありがとう。でもほんとに大丈夫。そしてちょっとキモい。男子なのに、顔見ただけで分かるとか」
「そうかな。普通だよね」
「感謝はしてるけど、うちはほっといてくれていい」
「わかった。無理しないでね」
末っ子のクラスの男子生徒たちは、月経前症候群や生理痛に苦しむ女子生徒たちを、積極的にケアすることに、一切の躊躇がないのだという。
生理用ナプキンの予備を用意するばかりか、スマホのヘルスケア関連アプリで女子の生理日を管理把握して、配慮に努めるのが当たり前のことになっているのだとか。
聞いてもなかなか信じられなかったけど、その後で聞いたクラスの会話はもっと信じられなかった。
「ヤバい! 急に生理になった! ナプキン持ってきてない!」
「ごめん、うちも持ってない。誰か持ってない?」
「ムーニーマンならあるよー。いるー?」
「いる! ちょうだい!」
白いオムツが宙を飛んで受け渡され、しばらくすると…
「ムーニーマン、すっごくいい!安心な感じ!」
「快適でしょ?」
「マジ!?私も使ってみたい!」
「いっぱいあるからあげるよー」
数枚のオムツが目の前をよぎっていくのを見送ったあと、末っ子は、なにか居たたまれないような気持ちになり、そっと教室を出たという。
いろいろと、ちょっとどうかとは思うものの、日本の少子化対策は、彼らのような若者たちに学ぶべきなのかもしれない。
(てか、ムーニーマン履けるのか、女子高生…)
(_ _).。o○
そういえば、ケストナーの「飛ぶ教室」は、ちゃんと読んだことがなかった。来年読もう。