末っ子(高3)のクラスで海外留学していた生徒たちが、帰国してきたという。
といってもコロナの関係で、帰国後しばらくはホテルに缶詰で、授業もネット参加だそうだ。大変だ。
缶詰から解放された子たちは、お土産をどっさり抱えて登校してきたそうで、末っ子もお菓子をいただいたそうなのだけど。
「あれは、食い物ではなかった」
パッケージを開けると、極めて主張の激しいレインボー柄の棒状のものが出てきたので、キャンディーか何かだろうと思ってかじってみたけれども、食感は「柔らかめのプラスチック」で、しかもどことなく硝煙臭がしたという。
もしや、これはケースなのだろうかと思って、そのプラスチック状の外側を剥いてみたけれど、その下には、得体の知れない紙のような感触のものがあり、さらにその内側に、ゲル状のものが詰まっていたので、舐めてみたら、かすかにリンゴの風味を感じたけれども、お菓子と認識するのは難しかったという。
ちなみに、プラスチック風の外側も、その内側の紙っぽい箇所も、すべて可食部分だったそうだ。
末っ子を含む大半のクラスメートは、義理と根性で完食したそうだけど、末っ子の友人は一口で心折れて、事情を知らない隣りのクラスの友人に詳細を語らないまま押し付けて食べさせ、
「てめー、ケースごと食わせやがって!」
とキレられたという。
その隣のクラスにもアメリカから帰国してきた生徒がいて、皆複雑微妙な表情で、七色のシリアルを黙々と消化中だったそうだ。
帰国したものの、まだホテルに缶詰になっているクラスメートもいるそうで、ネットで授業に出席したときに、「楽しみに待っててねー!」と、買ってきたお土産を見せてくれたそうなのだけど、末っ子曰く、
「あれは、どう見てもサルミアッキだった」
サルミアッキって、世界一微妙なお味で知られる、フィンランドのお菓子じゃなかったっけ?
アメリカ土産とは一体。