湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

今日の一冊・「お皿の上の生物学」(小倉明彦)

お気に入り本棚の12冊目。

 

小倉明彦「お皿の上の生物学」(角川ソフィア文庫

 

 

おお気に入りだけどなかなか読了しない本がたくさんあって、この本もそのなかの一冊。

 

今度こそちゃんと読もうと思うのに、読んでいる途中で他のことが気になって寄り道してしまい、そのまま戻れなくなるのだ。

 

たとえば本書の最初のほうには、味の素を作った池田菊苗という化学者の話が出てくる。

 

1864年薩摩藩士の息子として京都で生まれた池田菊苗は、維新後の京都・大阪で育ち、帝国大学の化学科を出たあと、ライプチヒ大学に留学。帰国前にロンドンでノイローゼになっていた夏目漱石の下宿に半年も逗留して、そこで毎晩文学論を戦わせ、帰国後は帝国大学教授となって、グルタミン酸抽出に成功。味の素を製造販売して大儲けし、新設された理化学研究所の化学部長と帝大教授を兼任。

 

一方、夏目漱石は池田菊苗との議論を元ネタにして、科学的分析を取り入れた「文学論」「文学評論家」を執筆し、文学博士に推挙されるも、固辞したという。

 

こんな話を読んだら、漱石の文学論をぜひとも読みたくなるし、理化学研究所の歴史だって知りたくなる。漱石全集は家のどこかに埋まっているから掘り出さないと。理化学研究所に家族で出かけて血液を提供したのは、もう18年ほども前になるのか。自閉症に関連するゲノム解析に使うのだったか。あの研究って、どうなったんだったか。ずっと前に理研のホームページで読んだ記憶があるけど、詳しい内容を思い出せない。過去日記を掘ったら出てくるかな。

 

などなど、手にとって開いたそばからいろいろな思いが頭のなかで渦巻くから、この本はちっとも読み終えられないのだった。