Kindle版の青空文庫は縦書きで読めるので気に入っている。もちろん全て無料。
読んだ作品をメモしておく。
芥川龍之介「舞踏会」
(2022年1月3日読了)
明治十九年十一月三日に鹿鳴館で開催された舞踏会で、十七才の令嬢明子が、フランス人将校とワルツを踊る。
明子は誰もが一目見て呆れるほどの美少女であるだけでなく、非常に賢く、鋭敏な感受性の持ち主でもあるのだけど、将校との間に何か起きるわけでもなく、一瞬で消えてしまう花火のように、あっけなく過ぎ去っていくだけだった。
その三十二年後の大正七年、「老夫人」となった明子が、芥川らしい青年小説家に、鹿鳴館の一夜の思い出を語る。
芥川に「老夫人」と書かれている明子が、実はまだ四十代であることは、北村薫の「花火」の中でも指摘されていた。
江戸川乱歩「黒蜥蜴」
これも北村薫の「花火」で触れられていた作品。
言葉がだいぶ古いけれども、ぐいぐい引き込まれて読んでしまう。
三島由紀夫が脚本を書いて、美輪明宏主演で舞台や映画にもなっているということで、見てみたいと思ったのだけど、Amazonプライム・ビデオでは利用できなかった。
残念…と思っていたら、YouTubeに全編入っていた。いいのかな、これ。
みちゃうけど(´・ω・`)。
Black Lizard (a.k.a. Kuro tokage - 1968) - YouTube
主演丸山(美輪)明宏。
で、音楽は冨田勲。なんかびっくりだ。
三島由紀夫も出演しているようだ。
まだ冒頭しか見ていないけど、江戸川乱歩の原作とはだいぶ違っている。
原作では、冒頭、女賊の黒蜥蜴が暗黒街の怪しいクラブで素っ裸になって「宝石踊り」を披露するのだけど、三島由紀夫の黒蜥蜴は、明智小五郎と挑発的な言葉を交わすだけだった。
「貴女は詩人ですね」
「貴方は批評家?」
「なぜです?」
「美しいものを見ても素直に酔うことができない」
なんかすごく三島だ。(´・ω・`)
乱歩の黒蜥蜴は、こんなことを明智小五郎に言わない気がする。どっちがいいとも言えないけど。
そして美輪明宏の黒蜥蜴は、もののけ姫のモロと同じくらい人外の存在に見える。だいぶ恐ろしい。
怖いけど、YouTubeから削除されないうちに、もうちょっと見てみよう。