ネットオフの集荷が来て、ダンボール6箱分の書籍・CD・DVD・ゲームソフトを送り出した。
手放した物たちへの感慨はとくにない。
なんだか処分慣れしたというか、捨て癖がついたというか。
愛着よりも、物の多さに対する疲労感のほうが強かったせいもある。
とはいうものの、もともと捨てることが苦手な私にとって、ここ最近の大量投棄は相当なストレスではあった。これまで外出中にしか起きなかった過敏性腸症候群が、掃除中にも起きるようになってしまったのだから、身体は本当に正直なものだと思う。
そろそろ捨てるペースを落として、整理整頓と清掃にシフトしてもいいかもしれない。
最後まで捨てないものを選ぶことも必要だと感じ始めている。
ぬいぐるみや雑貨など、いまも衣装ケース数個分は残っている。そのほとんどを処分するつもりでいたけど、ひたすら捨てまくった結果、気がつけば、我が家の収納スペースにはだいぶゆとりが生まれている。もともと収納が多い家なのだ。いまある分くらいは残しておいても、以前のような収納不全状態にはならないだろう。
残したものを大切に可愛がって過ごすことを想像すると、ちょっと楽しい気持ちにもなる。もともと気に入って買ったものばかりだし、いい思い出のある物たちも多いのだ。
(_ _).。o○
そんなわけで、昨日から掃き掃除に力を入れている。
我が家にはフロア用の掃除機というものが存在しない。掃き掃除には、長女さんが私のためにと買ってきてくれた箒とチリトリを使っている。箒の柄が短いので腰が疲れるけど、プラスチックの白いチリトリでゴミを集めると、内容物を観察しやすいので重宝している。
居間の床のゴミは、布や紙類から出たと思われる綿ぼこりや、髪の毛が多いけれども、かなりの頻度で砂つぶや小石が混じっている。
砂つぶや小石は、たぶん息子が支援外出での外遊びで砂場などに突っ込んで、ズボンの裾あたりに付けて持ち帰っているのだろう。着替えるときに気をつけるようにしようと思う。
数は少ないものの、見つけるたびに許しがたく思えるのは、カツオブシムシの幼虫だ。死骸がほとんどだけど、稀に動いている場合もある。
カツオブシムシが発生する原因とは?カツオブシムシの習性を知って対策しよう | For your LIFE
カツオブシムシの幼虫は、玉ねぎの皮のような色をしていて、大きさはほんの数ミリ程度だけれども、ひとたび私の視界に入れば決して見逃すことはない。あまりにも強い嫌悪感と撲滅衝動のせいで、自前の眼球にカツオブシムシ探知機能が搭載されてしまったらしい。
ちかごろでは、なんとなく「あのあたりにいる」と感じたところを掃いてみると、本当にいたりする。いつのまにかカツオブシムシの幼虫の行動パターンを熟知体得してしまったらしい。膨大な数の幼虫と戦った結果のスキル獲得なのだから、これほど嬉しくない能力もない。出来ることなら出会わずに人生を送りたかった。
カツオブシムシは、絵画教室の先生に菊の鉢植えを頂いたのと同じ頃に我が家に出現している。それまでそんな虫は一度も見たことがなかった。
成虫はキク科の植物を好むらしいし、最初に発見した場所も、その菊の鉢植えを置いたベランダ窓のそばだったので、鉢植えに成虫がついていたのじゃないかと思っている。
カツオブシムシは、とにかく繁殖力と生命力が半端ない。
幼虫は水や食料がなくても長く生存して成虫になり、飢餓状態でも産卵できるという。しかも一度に40から90ほども卵を産むというのだからたまらない。
つまり、幼虫を一匹でも逃して成虫にしてしまうと、次世代が数十匹出現することになるのだ。二匹以上逃せば数百匹。もっと多く見逃せば……考えたくもない。
幼虫の食料は、主に衣類などの繊維だけれど、衣装ケースやタンスには防虫剤を入れてあるから最近ではほとんど侵入しない。
そのかわり、本や紙類、家具の隙間に溜まった埃などを狙って、暗がりに溜まっているようだ。
完全駆除は相当難しいと思う。
私と同じようにカツオブシムシとの激しい戦闘に明け暮れていた方のブログ記事を見つけたけど、最終的には転居によって勝利を獲得していた。それほどに奴らはタフなのだ。
それでも家中の暗がりから埃がなくなれば、幼虫たちは相当生きにくくなるはずだ。
自分の脳内の暗がりの鬱想念ともども、綺麗さっぱり片付けたい。