読んだ本の感想メモは、コツコツと……。
「猫と竜」(佐々木泉 漫画 アマラ 原作)
森の奥でケットシーに育てられた竜が、育ての親の子孫たちを守りながら、人の世と関わっていく物語。1巻目が読み放題になっている。
人間に興味を抱くケットシーたちは、悪意のある人間に狩られてしまうこともある。竜は森に近い王国に睨みをきかせつつ、自分が育てたケットシーたちが、王族と深く交流する様子を見守っている。
人間やケットシーの寿命が、竜より短すぎるからか、個々のエピソードも短いのが少し残念。
でも竜の育ての母は規格外に寿命が長いようなので、続巻ではまた違った流れもあるのだろうか。
「九段坂下クロニクル」(一色登希彦 朱戸アオ 元町夏央 大瑛ユキオ)
関東大震災の数年後に九段下に建築され、空襲の被害を受けずに残った、古い鉄筋のビルをめぐる物語。
事前知識ゼロで読み始めたので、古いビルに取り憑いた怨念や、ビルに関わった人たちの悲惨で痛ましい人生が描かれるのかと身構えてしまったけれども、そこまで重い話はなかった。
ウィキペディアに九段下ビルのページがあったので読んでみた。長い昭和を乗り越えたビルは、東日本大震災後に、耐震を問題視されて取り壊されたらしい。
考えてみると、前回の関東大震災から、もうすぐ100年になるのだ。たしかもう少し短いスパンで起こる地震だったはずなのに。このまま永遠に来なくていいけど、そういうわけにはいかないのだろうなあ…。
「極妻母ちゃんドタバタ日記♪」(森園みるく 著)
極道の男性とそのお母さんに見初められた縁で、そのままあっさり嫁になってしまった、一般女性のお話。
家宅捜索、夫の逮捕、舎弟の引き起こすトラブル、シャバの人々とのお付き合いの兼ね合い、育児……どう考えてもストレスMAXな主婦業なのに、ほとんど心を揺らすことなく、葛藤もなく捌いている。
フィクションではなく「本当にあった」話だということだけど、ちょっといろいろ現実味が薄いように感じた。