夜の11時というと、うちの家族は全員布団に入っている時間である。
もっとも寝ているのは息子だけで、あとの人間はiPhoneでアプリをいじっていったり、switchなどでゲームしたり、kindleで本読んだりしながら、夜食を作るタイミングを見計らっている。つまりみんなバリバリ起きている。
そんなくつろぎのひとときをぶち割るように、あの心臓に悪い緊急音が鳴った。
あわててiPhoneを開いたら、予測震度が5くらいで、仙台湾の斜め下あたりにバツ印がついている。
いやーな位置だなと思う間もなく、ぐらぐら揺れ始めた。
起きていた家族は身支度などしつつ、安全確保に動いていたと思う。長女さんは玄関ドアを少し開けるなど、いろいろしてくれていたようだった。
私はというと、居間にある折りたたみ式本棚がダンスして本を撒き散らしているのを押しとどめながら、寝ている息子を起こすべく叫んでいたと思うけど、よく覚えていない。
末っ子曰く、
「おっかあの声のせいで、余計怖かった!」
ごめん。(´・ω・`)
でも、揺れ具合が東日本大震災のときと似ている気がして、ほんとに怖かったのだ。(;_;)
ただ、あの地震のときには危機感をみなぎらせていた息子が、家族の(主に私の)大騒ぎをスルーして爆睡し続けていたので、「あれ? そんなに酷い地震じゃないのかも」と思ったのは覚えている。
揺れがおさまってから、iPhoneで震度を確認したら、最初に出た予測震度よりは、だいぶ大きな揺れだった。
私の実家は仙台にある。
ツイッターで地域情報を拾おうとしたけど、フリーズして流れない。検索も使えない。アクセスが殺到したのだろう。
地震が完全におさまってから起きた息子は、テレビがついているのを見てカッと怒ってスイッチを切り、また寝てしまった。
末っ子は懐に「たらこキューピー」のぬいぐるみを二個詰め込んでいた。
東日本大震災の日、余震が酷すぎて家にいられず、近所の公園に一時避難したのだけど、その時にも末っ子はたらこちゃんを持っていた。当時のことは、よく覚えているそうだ。
息子に消されたテレビのかわりに、NHKの防災アプリをiPhoneでダウンロードして、テレビより数秒遅れで配信される地震報道を眺めることにした。津波の心配がなさそうなことと、大きな火事などの報道がない様子に、ひとまずホッとした。
震源の深さなどから、亭主が地震の性質や、津波の起きない理由など、いろいろ解説してくれた。長女さんは避難するときに足元に邪魔になるものがないようにと、いろいろしてくれていたようだ。
しばらくすると、ツイッターのタイムラインが少し動き始め、東北在住のユーザーが自室の惨状を撮って流し始めた。
実家近くの人たちのツイートもあり、家具などは倒れて酷いことになっているようだったけど、ライフラインはほぼ無事の様子だった。
その後、スカイプに実家のパソコンがログインしてくれたので、両親に直接安否確認できた。よかった。
うちのあたりは震度4だったらしい。
もう少し強いかと思ったけど、揺れが長いせいで強く感じたのかもしれない。
落下物は、私の本が三冊だけ。
東日本のときにはナイアガラの滝状態だった書斎や旧書庫(いまは長女さんの部屋)は、無事だった。
落下本は次の通り。
「ミンスキー博士の脳の探検」
「情動と言語・芸術 認知・表現の脳内メカニズム」
「幸福の練習 私の自然食」
せっかく落ちてきたので、ひさびさにちょっと再読しようか。