こんばんは。
夕焼け
今日は夕焼けがとても綺麗だったらしい。
末っ子が、下校の電車でしばしスマホをいじるのも忘れて見惚れたほど美しかったと言っていた。
私は部屋で横になっていて見過ごしたけど、末っ子と同じ路線の電車に乗っていたらしき人が、夕焼けの写真をツイートしてるのを見つけた。ほんとうに鮮やかだった。
明日は意識して空を見よう。
今年は春も夏も満足に味わう前に終わってしまった。
秋は少しくらい記憶に残したい。
パレード
末っ子が、「パプリカ」という映画が観たいという。
「パプリカ」といえば、真っ先に連想するのは筒井康隆の小説だけど、残念ながら未読なので内容を知らないし、あの小説が映画化したかどうかもわからない。
末っ子によると、映画「パプリカ」のなかで薄気味悪いパレードのシーンがあり、平沢進の最高に怪しい曲であるところの「パレード」が流れるのだという。
それを聞いて、ますます原作は筒井康隆だろうと思ったので、今度Amazonビデオでレンタルするから一緒に見ようと言ったら、親と見るような映画じゃないと言われた。そりゃそうか。
でもこのあいだ、寝る前に筒井康隆の「バブリング創世記」を音読してくれたのは末っ子である。親子で筒井康隆は、すでに実行済みなのだ。「パプリカ」もいけるだろう。
ちなみに末っ子が映画「パプリカ」を知ったのは、高校の校内放送のおかげらしい。
放送部員が、「米津玄師のニワカ(ファン)をぶっ潰してくれる」という目的で、
「では、(映画)パプリカ(の曲)をお送りします」
とアナウンスして、全校生徒に米津玄師を思いっきり期待させておいてから、平沢の「パレード」を流し聞かせところ、放送部員の目論見通りに校舎のあちこちで、「なにこれ怖い!」「キモいー!」などと悲鳴が上がったそうだ。
だけど末っ子的には、平沢進の「パレード」は大変魅力的な曲だったようで、歌詞を覚えてカラオケで歌いたいと言っていた。
「パレード」という曲、末っ子は高校で初めて聞いたと思っていたようだけど、実は末っ子が乳児だった頃に、私がすっかりハマっていて、家で散々聞いていたのだ。記憶には残っていなくても、受け入れる素地はできていたのだろう。
調べてみたら、映画「パプリカ」の原作は、やっぱり筒井康隆だった。そのうち読もう。
邂逅
以下の記事は「閲覧注意」とすべきかもしれない。
(虫関係がお嫌いな方は下方向に行かずにお戻りください。写真があります。)
家族の通院の付き添いで出かけたら、病院前の歩道の上で、死地に向かって進んでいる、何かの幼虫に出会った。
大きさは、自分の手の平の縦の長さを超えるくらい。かなり立派なサイズである。
スズメっぽい薄茶色。
背中に等間隔の横スジがあり、両脇腹に目玉模様がついている。
一目見て、カッコいいと思った。
で、助けようと思った。
幼虫は、駅に向かって進んでいた。
そのまま行けば車道だし、遠からず踏まれてしまうと予想された。
幼虫の背後には、雑草が生えまくった植込みがあった。幼虫の眼中には入っていないようだけど、人の足なら二歩もかからない距離だ。そこに送り込めば、踏まれずに生きながらえる可能性が出てくるかもしれない。
手の平に余るほどの幼虫を素手でつかむ度胸はなかったので、バッグの中を漁ってみたら、先週末にバリウムを飲んだ病院の「ご自由にお取りください」のコーナーでもらってきた、介護タクシーのパンフレットが見つかった。
しっかりした硬い紙だったので、これならいけると思った。
ちょっとここに乗ってー、などと声をかけつつ、幼虫の腹の下に介護タクシーのパンフレットをそっと差し込もうとすると、幼虫は瞬時に慌てふためいて、ドーナツみたいに丸まってしまった。介護拒否の姿勢である。
仕方がないので、介護タクシーのパンフレットをスコップみたいに半分まるめて、幼虫をすくい上げた。幼虫は観念したのか、丸まったまま大人しく植込みに運ばれた。介護タクシーの運行はここまでである。
運ぶ前に撮影した写真を、虫に詳しい亭主に見せたら、
「セスジスズメやな」
と言った。
成虫を検索して写真を探してみたら、アメリカのステルス攻撃機(F117だっけ?)みたいな、威圧感のある三角形の姿をしていた。
ただ、残念ながら羽化すると目玉模様は消えてしまうようだった。
無事に羽化するといいな。
何年かしたら子孫が大挙して恩返しにくるのじゃないかと長女さんに言われたけど、それは勘弁してほしい。大挙は困る。昆虫の団体は我が家ではおもてなし不可能だ。カツオブシムシの大発生で、すでに一生分懲りたから。