google検索をしていたら、いきなり画面に呼びかけられた。
「親愛なChromeユーザー様 おめでとうございます!」
iPadなどがもらえる権利を獲得したので、アンケートに答えろという。
幸か不幸か目出度いことには縁が薄いと自覚しているので、とっとと画面を閉じて、
「親愛な ユーザー様 おめでとうございます」
でgoogle検索してみたら、類似のフィッシング詐欺の情報がどっさり出てきた。
二年ほど前から、目先をいろいろ変えながら続いている詐欺であるらしい。
アンケートに答えると、最新型のiPhoneを百円くらいで購入できると言われ、その支払いのためにクレジットカードの情報を求められるのだとか。
引っかかった体験談を書いている人もいたようだ。
そうした記事をいろいろと読んでいたら、また出た。
たいへんウザい。(-"-)
こういうフィッシング詐欺の表示は、Nortonなどのセキュリティ対策ソフトではシャットアウトできないものなのだろうか。
などと心の中でつぶやいていたら、Nortonさんが、さっそく仕事をはじめた。
この Web ページは既知の悪質な Web ページです。 このページを表示しないことをお勧めします。
だそうだ。
ただ、ちょっとおかしいことがある。
そのとき私が開こうとしていたのは、google検索の結果表示なのに、nortonが遮断したのは、
「b.st-hatena.com」
という文字列を含むURLなのだ。
何がどうしてそうなったのだろうか。(。´・ω・)?
ちなみに、同じ検索ワードを使った場合、同じように遮断された。
違う検索ワードでは、遮断されなかった。
危険かもしれないので、遮断された検索ワードはここには書かないことにする。
というのもそっけないので、ちらっとだけ書くと、「けっ」という気持ちを表す顔文字を探したかったのである。
別の検索ワードで探して、これを見つけた。
(`ط´≠)
なかなかの面構えである。
それはさておき、このフィッシング詐欺のメッセージ、なんとなく不自然ではある。
「親愛な」という表現は、英語のdearの直訳なんだろうけど、翻訳された文章以外に使用例があるとは思えない。そして翻訳文でも、「親愛な」ではなくて「親愛なる」とされることのほうが、多いのではなかろうか。少なくとも翻訳小説などで「親愛な」という表現を見かけた覚えがない。英検などの問題集では、どうなんだろう。
ちなみに「親愛な」でgoogle検索すると、メールを翻訳した文章らしきものと、このフィッシング詐欺について報告するサイトが、ずらりと上位に並ぶ。
「親愛」という言葉の辞書的な意味は、
「人に親しみと愛情を持っていること」(goo辞書より引用)
といったところだが、ネット上でこういう「親愛なる」を見続けていると、国語辞典の意味記述を書き換えたくなってくる。
しん-あい【親愛】 名詞・形容動詞
- 人、もしくは人格を感じられる存在に対して、親しみと愛情を持っていること。また、そのさま。ただし、この意味において形容動詞連体形「親愛な」の形で使用される頻度は、翻訳語を除けば極めて低い。
- 「(「親愛な」の形で)詐欺行為を目論む人間が、無作為に選んだ見ず知らずの相手にメッセージを送る際に、相手の呼称につけることによって、不信感を抱かせないことを目的として用いる表現。
(「ねこんでる国語辞典」より引用)
「親愛な」という表現をつけて呼びかけてくるメッセージをネット上で送られた場合、そのメッセージは、日本語の習熟度の低い人物が機械翻訳などに頼って作ったものと考えるべきかもしれない。
そうしたメッセージが、棚からボタモチ的な情報を伝えるものであるなら、まず間違いなく詐欺目的であるから、決して反応してはいけない。