二週間も目が回っていては、さすがにうんざりする。
うちから徒歩五分の大きな病院は、内科が持病のかかりつけだから慣れているし、行きやすいのだけど、前に耳鼻科を二度受診して、とてもイヤな気持ちになったので、どうしても行きたくない。
思えば、ひどい鼻の炎症で受診したときには、
「無呼吸あるんじゃない? 死ぬよぉ? すぐ死ぬよぉ?」
と、小馬鹿にした口調で言われ、お前は落語の「死神」かと言いたくなった。
昨年(だっけか)、めまいで相談に行ったときは、検査中に、めまいがおさまったせいで、
「今めまいないですよね! 起きてる最中でないと! 検査しても原因わかんないんですよっ」
と、まるでめまいがおさまったのが不始末であるかのように言われて、げんなりした。
と、書いてみると笑える話ではある。
でも、本気で具合が悪くて余裕がないときに、
「死ぬよぉ」
と歌ったり、
「原因わかんないんですよ!」
と叱ったりする医師には、会いたくない。
お医者さんに、医療技術以外のことを多く求めるつもりはない。穏やかで常識的な、「普通」のコミュニケーションが可能であってほしいだけだ。(´・ω・`)
というわけで、大きな病院は選択肢から外して、小さな耳鼻科を探すことにした。
長女さんに頼んで、徒歩圏内の耳鼻科を探してもらったところ、十分ほど歩けばたどり着けそうな病院があった。
ホームページを見ると、曜日ごとの混雑具合などが丁寧に書いてあったりして、普通に親切そうな印象だったので、そこに決めた。
午前中、めまいが少しおさまったところで、通院を決行。
トランポリンの上を歩いているようで、とても心許なかったけど、転倒することもなくたどり着けた。
とても空いていたので、すぐに診察室に呼ばれ、その後検査になった。
- 機械に乗って直立して身体の揺れをみる検査。
- 聴覚検査。
- 横になって頭の向きを変えたときの目の動きを暗視カメラで見る検査。
直立具合にそれほど問題がなく、聴覚にも異常なしで、寝ていて頭を左右に動かしたときに、めまいが起きて、目がふらふら動いていた。
というわけで、「良性発作性頭位めまい症」という診断となった。
三半規管に耳石が入り込んで起きるもので、強い疲労があると起きやすいそうだ。
やっぱり疲れていたんだろうか。
のんびり暮らしているはずなのに。
まあ、暑かったからかもしれない。
耳石が溶けてなくなれば治るから、心配いらない、とのこと。
薬を三つ処方された。(アデホスコーワ顆粒・メリスロン錠・ドンペリドン錠)
一週間飲んでみて、来週経過を診てもらうことになった。
初診の耳鼻科だったけど、受付の人もお医者さんも看護師さんも、普通に親切で、めまいでふらつく私にいろいろ配慮もしてくれて、当たり前に普通の会話ができた。
話もきちんと聴いてくれたし、説明もこの上なく分かりやすかった。
そりゃそうか。
ろくに話も聞かないで苛立って見せたり、「死ぬよぉ」なんて言ってたら、患者さんが誰も行かなくなって、経営が傾くだろうし。