信長協奏曲
ずっと楽しみにしていた、漫画「信長協奏曲」(石田あゆみ作)の第19巻が出た。
書籍代節約の折ではあっても、この作品は外せない。
さっそくkindle版をDLして、読了。
今回が最終巻じゃないかと覚悟していたけど、最終巻じゃなかったので、覚悟は延期。
19巻は、その天正10年の1月、備後の国の鞆(とも)、いまの広島県の福山市で、足利義昭が、秀吉の弟である羽柴秀長と出会うところから始まっている。
信長によって京都から追放されて、毛利の世話になっていた、足利幕府最後の将軍義昭が、「打倒信長」と書いた掛け軸を床の間に飾って、一人で気炎をあげているところに、忍者装束の秀長がにょろっと現れるのだ。
掛け軸の前で、義昭が秀長に兄秀吉に寝返りの意図があるのかどうかをシツコく問いただしていると、今度は小早川隆景と、毛利の外交僧である安国寺恵瓊が、連れ立ってやってくる。
単細胞な義昭を脇に押しやって、敵対しているはずの秀長と隆景が、互いの腹の底をチラ見せしながらの、不気味な腹の探り合いが展開する。
その非公式会談で、毛利の後ろ盾を得られそうだという感触を得た秀長は、兄の元に帰り、いよいよ華麗なる謀叛の舞を舞うときがきたと言って、秀吉をあおる。秀吉は相手にしないけれども、小早川隆景の名前が出たことに、内心反応する。
史実では、秀吉は、本能寺の変を知った直後、備中(岡山県)で戦争中だった毛利側と和睦して、猛スピードで上洛している(中国大返し)。この非公式会談のエピソードは、たぶん、本能寺の変につながる伏線なのだろうけれども、秀吉が本能寺の変にどうか関わってくるのかは、19巻では、まだ見えてこなかった。
一番気になるのは、織田信長として人生を送っていたサブローが、どういう形で本能寺の変を迎えるのかということだ。
本能寺の変といえば、明智光秀の謀叛だけれど、「信長協奏曲」の光秀は、実は織田信長本人である。家督を継ぐ重圧に耐えられず、自分と同じ顔のサブローと入れ替わって逃げ出したものの、のちに光秀として戻ってきて、家臣としてサブローを支えている。光秀の命がけの忠誠心は、サブローを辟易させるほど強くて重い。
だから、光秀が自ら本能寺の変を引き起こすことは、ありえない。
以前見た映画版「信長協奏曲」では、明智光秀は、もともと織田家に恨みをもって仕えていた羽柴秀吉に脅されて、仕方なく本能寺に攻め込み、ぎりぎりのところでサブローを逃がしたあと、秀吉に殺さる。
そして、燃え上がる本能寺から逃げ出したサブローは、秀吉の陰謀によって、謀叛を起こした明智光秀として処刑されてしまう。
つまり、形の上では、「信長は本能寺で死亡し、光秀も敗走して死亡」という、史実通りの経過をたどるのだ。
漫画のほうもそれに近い形で決着するのかなとも思うけれども、映画と漫画とでは、サブローを含めた登場人物たちの心の在り方が、ずいぶん違っているから、もしかしたら全く違う展開があるのかもしれない。
新しいkindle Fireで、既刊全部読み返しつつ、次巻を楽しみに待つことにする。
音読
こちらはkindle本ではなく、紙の本。
ここ数日、寝る前に末っ子に音読してもらっていて、昨日読了した。
音読を聞いていると、よく眠れるのだ。
今夜からは、「やばい世界史」のほうを読んでもらう予定。