頭痛が痛すぎるので、気を紛らわすのに、Amazonプライムで映画で、たまたま表示されていた映画を選んで見始めたのだけど……
誓って言うが、「ビッチ」云々に惹かれて選んだわけではない。頭蓋骨割れそうな勢いでガンガンしている頭痛のせいで、タイトルもサムネイルもロクに見ずにクリックしたのだ。(;_;)
で、なんだか中世ヨーロッパな感じの時代設定で、映像的に美しいし、音楽も中世風で頭痛に障らず、真面目な歴史物のように思えたので、そのままボーッと、字幕スーパーもろくに読まずに眺め続けていたら、様子が怪しくなってきた。
人間的魅力のカケラもない領主が、若い頃には絶世の美女だったかもしれない奥方と、若くて美しい下男との不倫現場を目撃し、下男を取っ捕まえて処刑しようとするのだけど、下男はうまく逃走。
あてもなく逃げる途中、泥酔して川にハマっていた神父を助けた縁で、修道院に潜り込ませてもらい、人畜無害な聾唖者を装うことを条件に、そこで働き始める……というところまでは、そんなに怪しい感じではなかったと思う。
飲んだバファリンが効きはじめて、頭痛が少し和らいだところで、若い修道女たちの下男への絡みっぷりが、なんだかおかしいことに気がついた。
修道女って、真夜中の森で若い男を縛り上げて、素っ裸になって踊り狂ったり、男を刺し殺して生贄に捧げようとしたり、血液を頬紅がわりにしたり、実は本業が魔女だったりなんてことは、多分ないと思う。(´・ω・`)
うえええなんだこりゃエグいわーグロいわーと思いつつ、結局最後まで見てしまってから、Amazonのレビュー欄で、この映画のシナリオが、ボッカチオの「デカメロン」を下敷きにしていることを知って、あああああ〜と納得。
「デカメロン」は未読だけど、内容がキリスト教的な道徳観や貞操観念からは、かけ離れたものであるらしいことぐらいは、一応知っていた。
この際だから読んでみようかしら……と、いつもの私なら思うのだけれども、そして一応、Amazon読み放題で読めるテキストをダウンロードはして、ちょっとばかり読み始めたのだけれども、序文で延々と続く、ペストによる死屍累々の描写が、頭痛で弱っている脳には厳しすぎて、読むのを断念。
それにしても映画の「天使たちのビッチ・ナイト」っいう邦題、まあたしかにその通りの内容ではあったけど、猟奇的で放縦なだけの映画でもなかったような気もする。修道院のイカれた人々は、神に推奨されそうにない乱れた交わりを通して、他人と支え合う喜びや生きがいを見つけることができたようだったから。みんな還俗して幸せになればいいのにと思ったけど、美貌の下男をめぐる戦いが始まりそうではある。、