解約していたAmazonプライムを、再開。
宅配はほとんど利用しないだろうけど、それ以外のサービス、とくに、主に、Amazonプライムビデオを使えないことが、つらすぎた。(;_;)
で、プライムビデオで最初にみたのが、この作品。
この作品は、監督自身がノベライズしていて、だいぶ前に、そちらを先に読んでいた。
今日はじめて映画のほうを見て、その雨の情景の美しさにうっとりしたものの、物語としては、小説版による補足を求められる作品だなと思った。
映画の物語が、完結していないというわけではない。
でも、出てくる人物たちの、映画では語られていない部分が、あまりにも魅力的に感じられて、もっと語ってほしいと思ってしまうのだ。
高校生である秋月孝雄と、教師だったユキノの「その後」が気になるというのは、下世話にすぎるのかもしれないけれども、彼らの思い、とくに映画では詳しく触れられることの少なかったユキノの過去、味覚障害に至るほどの苦悩と、孝雄と別れてからの、回復と成熟への長い道のりについては、もっと深く語られる価値のあるものだと思う。
また、映画の中ではほんのちょっとしか姿が見えない、秋月家の母親も、小説の方では奥深い存在になっている。二十代に見えそうなシングルマザーで、すでに成人している長男の翔太が恋人と同棲を始めると聞いたとたん、ヘソを曲げて家出して、年下の彼氏の自宅に転がり込んでしまうような、おそろしく大人気ないイメージの女性だけれど、夫と別れたあと、息子二人を育て上げたのは彼女であり、孝雄が、自分の人生を選びとる姿を見守るのも、彼女だった。
それに、映画には全く出てこない、母親の若い恋人が、小説ではとても大事なことを言っている。
「でも本当に、本当に心の底から何かを創りたい人は、誰かに何かを訊いたり言ったりする前に、もう創ってるんだ」
小説では、孝雄が留学する直前に、母親と、翔太とその彼女、孝雄が集まって、お祝いの宴会を開くシーンがあるのだけど、そこにこの彼氏(すでに別れて元彼になっていたけど、翔太とは連絡を取り合っていたらしい)も呼ばれている。
脇役たちの人生や心情を、より深く分かった上で見る、ラストの雷雨の東京は、意味の深さがずいぶん変わってくるように思うのだ。
「言の葉の庭」は、別の書き手による小説版もあるらしいけど、そちらは未読。


