読書
Amazon読み放題で「夜の写本師」というファンタジー小説を読んだ。
(ネタバレ的な感想になっているので注意)
悪逆非道な大魔道師アンジスト(男性)が、徹底した女性差別のルールで政治を行い、少女たちを虐殺しつづけた原因が切なすぎた。
彼は幼い日に実の母親を殺され、慕う気持ちごと奪われてしまっていたため、自分が何を失ったのか分からないまま、ただただ女性を憎み渇望し、力を奪っては殺し続けていたのだった。
遠い昔にアンジストの母を奪った女魔道師も、おそらくは女性として傷つき虐げられてきた故に、ゆがんだ人間になったらしいことが示唆されている。
主人公のカリュドウは、過去に三度、女性として生まれてアンジストに殺されている。現世では男性だけれど、養い親を目の前で殺害されたことからアンジストへの復讐を誓い、魔道師ではなく写本師としての修行を積むうちに、殺害された過去生の記憶を取り戻すことになる。
殺され方は三回とも、極めて惨たらしくグロテスクなので(全身めった斬りの上強姦・瀕死にしてから壁に生き埋め…)、読み進める途中でかなり心折れそうになったけど、途中でやめたら夢に出てきそうなので、頑張って最後まで読んだ。
アンジストが失っていた心を、カリュドウが見つけて戻してやることで、二人は千年間の憎しみと呪いから開放されて、物語は終る。
ファンタジーとしての面白さは十分あったと思う。
ただ、強烈な女性虐待や虐殺の描写がかなり多かったので、現実に報道されているDVや、原理主義的な宗教の女性差別の現状などを連想して、相当に…もしかすると必要以上に生々しく感じられた。そういうことを訴える意図が作者にあったかどうかは、私には分からない。けれども社会構造そのものに練り込まれた差別を解消するためには、千年にもわたる愛憎や殺し合いをへて、深い相互理解に達する必要があるといわれると、そうかもしれないと思ってしまう部分がある。
世界中に、無数に存在するアンジストとカリュドウが和解するには、どれほどの歳月と物語が必要だろうか。
ラノベ
婿養子を取るようにと親に言われ続けているせいで、男性に敬遠されて恋人ができない主人公が、やさぐれて酔っ払った勢いで、たまたま飲み屋で一緒になった、自分の同じ苗字の鬼のように厳しい部長にプロポーズしてしまい…というお話。
テンポもいいし面白かったのだけど、いささか後味がよくないのは部長の元カノがおかしな人だったから。もともと部長の彼女だったのに、部長の兄と相思相愛になってしまってしまい、結局兄のほうと即結婚。
ところが夫婦仲がこじれると、義弟である部長に何かと相談に乗ってもらったばかりか、望まぬ妊娠に気づいて動揺し、最初に電話したのが夫ではなく義弟というのが、ちょっとなんだか。お話のなかでは、それも家族の絆という形でおさめていたけど。
こちらも元カノのリターンマッチがヒロインの障壁として立ちはだかるお話。
元カノが素敵な人だっただけに、なかなか大変だった。
今日の健康観察日記
うごくとしんどい。
休んでいると普通。
今日は絵画教室に行って、でっかいブロッコリーを描いた。
でっかく描いてるうちに脳内が元気に。ブロッコリーは偉大だ。
おじさまと猫
Twitterで続編や番外編を読むたびに、泣いている。
音声がついたPV発見。涙腺が洗われる。