今夜の健康観察日記
夕方あたりからすこしふらつくので、めまいの再発に用心したけど、たいしてひどくはならなかった。よかった。
どうしても足腰の筋力低下が気になるので、軽くスクワットをした。前に整骨院の先生に教えてもらったやり方で、背中をまっすぐ垂直にしたまま、ゆっくり腰を落として、太ももなどの筋肉を使うようにしてみる。無理はしない。忘れずに、1日に数回やろうと思う。
読書の途中
「ぼく、牧水!」はメモを取りながらパソコン版Kindleで読んでいたけど、座っているのがつらくなったので、横になってKindle Fireで「おらおらでひとりいぐも」をよみ始めた。
なんとも言えず引き込まれていくものがたり。
作者の若竹千佐子氏は岩手県遠野の出身だと、横になる前にパソコンでウィキを見て知った。
んだべな。
んでねばこうはかげねべど思う。
私は特定の地域の方言話者ではない。
東北を縦断しながら育ってしまったので、東北弁であればだいたいどこの地域の言葉でもそれなりに聞き取るし半分ほどは理解するけど、自分では喋れない。
それでも自分の言葉の根っこにあるのは東北の言葉なのは間違いない。それしか聞こえないところで言葉を覚えたのだから。
いつかすごく年をとるか、脳がなにか認知方面で問題を抱えて、言語能力も記憶力もバームクーヘンを外側から剥ぎ取るようにして滅していくことがあれば、最後に残るのは東北の言葉なんじゃなかろうかと、なんとなく思っている。
関係ないけど、具合がわるくなってから、幼児の頃の記憶として埋もれていたはずの、家の窓から見ていた地吹雪の光景が妙に思い出されてならない。あれを死ぬ直前に思い出すのは、ちょっとイヤだな。寒すぎる。
寄り道読書
で、本を読むのに疲れて、その息抜きに、またKindleの読み放題に引っかかって一冊読んでしまった。
なんというか……
上司の溺愛やレシピの素敵さを、二人の恋の行く手を妨害してくる女性の毒々しさと痛ましさが上回った感のあるお話であった。
食品メーカーの商品開発部門の事務として配属され、研究職にあこがれながらも、自分はサポート役と割り切って地道にデータ入力の日々を送っていたヒロインが、ひょんなことから、密かに憧れていた上司に料理を習うことになる。
週末ごとに上司の家で調理や栄養について指導してもらううちに、ますます恋心が募ってきたものの、なぜか同じ開発部門にいた女性研究員に目の敵にされ、こき使われるようになる。研究職への引け目もあって、上司への思いをなかなか表に出せないヒロイン。情緒面が不器用らしい理系上司も、親身に世話を焼いてくれはするものの、いまひとつヒロインをどう思っているのか、よくわからない。
それでもめげずに仕事を頑張っていたヒロインは、ある日、その女性研究員のチームで開発した商品の試食をした途端、アナフィラキシーショックを起こしてしまう。製造工場の不手際で、その商品には、成分表示にないアレルゲンが入っていたのだ。
上司の機転と素早い対応で、ヒロインは死なずに済んだものの、色々と面白くないらしい女性研究員からの攻撃が大幅に増大。さらには上司へのほのかな恋心を支えに頑張っていたヒロインに対して、女性研究員は、自分こそが彼の婚約者であり、昔からの深い中なのであって、ヒロインなんぞ一時の浮気相手に過ぎないのだからとっとと去れなどと、高らかに嘘八百を宣言……
最終的には理系上司とヒロインが結ばれて終わるのだけど、痛いウソでヒロインを排除しようとした女性研究員のその後が気になって仕方がない。
もともとこの女性、自分の浮気が原因で、上司に愛想をつかされて別れたらしいのに、ヒロインと上司が親しくなるのを見ていて我慢ならず、どうしても復縁しようと暴挙に及んだものらしい。
物語では女性のその後は語られず、同じ職場に居続けたのかどうかも不明。なんとなく居座って、職場の地雷か呪いの存在みたいになりそうな気がする。そこが後味悪くて、忘れられなくなりそうな本だった。