湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

「相談する」・恋愛小説に憤激

夕方の健康観察日記

 

あったまって横になっていたお陰で、寝ているぶんには重い疲労を感じない程度には復活した。やれやれ。

 

 

言葉

 

でも起き上がって辞書引くほどの体力も気力もないから、ひとつ前の日記で保留にした件については、家にいる学者(亭主)に寝たまま質問してみた。

 

疑問点は、童謡「はないちもんめ」について。

 

全国各地に流布していて、さまざまな歌詞のバージョンがあるのに、ほとんどのバージョンで「相談しましょ そうしましょ」という箇所がある。

 

「相談(する)」は、現代では耳に馴染んだ言葉で、日常で普通に使うし、小学校低学年の子供でも理解できると思うけれども、いったいいつ頃から庶民の子供の間で使われるようになったのかと考えると、ちょっとよくわからなくなる。明治期なら、ありそうな気がする。江戸期も、寺子屋に通っている層の子供たちなら、あるかもしれないと思う。でもそれ以前となると、よくわからない。

 

寝込んでる私のかわりに家事をしてくれていた亭主に、そのあたりどうなのかと聞いてみたところ、次のようなざっくりした回答があった。

 

 

・「相談」の用例は、たぶん「往来物」あたりからあるはずで、早ければ平安時代後期には使われていたであろう。

 

往来物 - Wikipedia

 

・「相談(そうだん)」がもともと漢語かどうかは、実はよくわからない。「相談(あいだん)ずる」というのが、そのまま全部音読みになっただけかも。

 

・全国的に流布して多くのバージョンがある「はないちもんめ」の歌詞で、ほぼ一貫して「相談しましょ そうしましょ」が出てくるのは、幼くして遠方に奉公に出される「守り子」によって流布し、伝承されていったからではないか。子守奉公の取引、商談の用語として「相談」が使われていたのを、聞き覚えていたのかも。(そう考えると切ない)

 

・「守り子」の文化については、赤坂憲雄という、東北学とかをやっている学者さんの本に詳しい。

 

 

 

子守り唄の誕生 (講談社学術文庫)

子守り唄の誕生 (講談社学術文庫)

 

  

 

専門家は有難い。

 

 

読書?

 

 

ある程度疑問が解消されたので、うろうろとネットを徘徊していたら、恋愛漫画の広告を踏んでしまって、うっかりお試しを読んでしまった。

 

これ(↓)が、途轍もなく腹の立つ話だった。

 

 

もう一人のケルサ (ハーレクインコミックス)

もう一人のケルサ (ハーレクインコミックス)

 

 タイトルの「ケルサ」というのは、漫画の表紙の女性のファーストネーム。最愛の両親を事故で亡くし、出会いも刺激もない単調な田舎で慎ましく暮らしていたケルサは、将来を心配した友人に勧められて、都会で働くことにする。

 

運良く大企業に就職できたケルサは、車内で老社長と親しく会話したのを切っ掛けに、社長秘書(四十代女性)のアシスタントに抜擢され、老社長とその秘書に可愛がられながら、張り合いに満ちた日々を送るようになる。

 

ところが、長らく海外勤務だった老社長の息子が帰国して、社長と親しく話しているケルサを見た途端、激しい憎悪の視線と態度をケルサに向けてきたのである。困惑するケルサが一人でいるときを狙って、社長の息子はケルサのところに押しかけてきて、お前は親父の愛人だろうと一方的に決めつけ、散々に罵倒する。ケルサがどう説明しても、社長の息子はすっかり思い込んでしまっていて、聞く耳ゼロ。自分が裁量できるなら貴様はクビだとか、めちゃくちゃなことを言い出す始末。

 

それだけならまだしも、このイケメンかつ有能バカ息子は、いきなりケルサの自宅に押しかけてきて、なんの落ち度もない彼女に向かって金目当てで老人をたぶらかす汚い女とまでいったかと思うと、いきなり押し倒して接吻に及ぶのである。

 

お試し版はここまで。

 

ハーレクイン作品の流れとしては、十中八九、こいつがケルサと結ばれるエンドを迎えるのだろうけども、どう考えても恋愛ではなく警察案件である。こいつと結婚なんてとんでもない。まかり間違ってケルサがこのイカれた息子と恋に落ちたとしても、火もないところに煤煙を撒き散らして騒ぎを起こす未来しか見えない。

 

ケルサはバカ息子が次期社長になるような会社なんか見限って転職し、もっとマシなセレブ男性と出会うか、自分がスーパーキャリアウーマンになるかして、バカ息子を打ち滅ぼすエンディングに一票を投じたい。

 

 ハーレクインもたまには予定調和をぶっ壊したらいいんじゃないかと思うけど、それじゃ売れないんだろうなあ。