湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

雪の翌日

昨日は首都圏の電車が遅延しまくっていた。

 

Twitterで電車の状況がリアルタイムにつぶやかれるのを、ずっと眺めながら心配して待っていたけど、うちの人々は運良く帰宅難民にならずに帰ってこれた。

 

昨日と今日の健康観察

 

昨日は朝から血圧が高いような体調だった。

夜になって血圧計を発見し、測ってみたら、やっぱり高かった。

 

今朝はまだ測っていない。これ書き終えたら測ろうと思う。

 

足が冷えて、痛む。ストレッチとマッサージしなくては。忙しい。

 

 

読書

 

旧約聖書詩篇を読むと、ダビデ王の作品とされる詩がたくさん掲載されている。

 

ダビデといえば、石を握ってどこかを凝視する裸体像を思い出すけど、どんな人物なのか、ほとんど知らない。とりあえずウィキなどを読んでみたら、紀元前千年くらい(正確じゃない)に、ややこしい経緯でイスラエルの王に選ばれた人物で、あの握っている石は、ゴリアテという異民族の戦士の頭にめり込んだのだという。

 

ゴリアテと言われてすぐに思い出すのは、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」でムスカ大佐がラピュタに乗り込むのに使った飛行船ゴリアテだ。強い戦士だったとはいえ、石ころで殺されてしまった人の名前を軍隊の所有する飛行船につけるというのがよくわからない。ゴリアテ墜落したし。

 

キリスト教文化について、つくづく何もしらないなあと痛感したので、自宅にダビデ王関係の本がないかと思って 、亭主の書斎に行ってみたけど、岩波文庫の切支丹の本しかないようだった。

 

 

 

日本切支丹宗門史〈上,中,下巻〉 (1938年) (岩波文庫)

日本切支丹宗門史〈上,中,下巻〉 (1938年) (岩波文庫)

 

 

まあ、それもそのうち読むとして、今知りたいのは、ダビデ王のことだ。

 

AmazonKindle読み放題で、ダビデ王に関係する旧約聖書関連の本を探してみたら、この本が見つかった。

 

 

 

ルツ: 聖書物語より(2) (聖書物語よりシリーズ)

ルツ: 聖書物語より(2) (聖書物語よりシリーズ)

 

 

 

「ルツ記」は読んだことがなかったから、なぜダビデ王に関連してるのかも分からなかったけど、読了して謎が判明した。

 

ルツ記は、イスラエルの民に嫁いだモアブ人の女性の名前であり、彼女はダビデ王の曽祖母にあたるのだった。

 

 

ルツは、ナオミという女性の長男の嫁だったけど、愛する夫に早く死なれ、子供も耕す土地もないまま、姑のナオミとともにベツレヘムの縁者のところに身を寄せる。ルツはナオミを養うために、落ち穂拾いをして懸命に働く。有名なミレーの「落ち穂拾い」の絵は、ルツの姿を描いたものらしい。

 

ナオミは、自分に尽くしてくれるルツのためにも、売り払ってしまった亡き夫の土地を取り戻したいと考えたけれども、当時の律法では、夫を失った女が土地を取り戻すためには、土地を買い取ってくれる一族の男に娶られる必要があった。そうして一族の男との間に息子を作り、その息子が土地を相続するという形で、家を維持していくのである。

 

もしもナオミに、死んだ長男以外に生き残った息子がいたなら、ルツはその息子と再婚して、跡継ぎを産むはずだった。けれどもナオミの息子たちは全員死んでしまっていて、ナオミ自身は他の男に嫁いで出産するには老いすぎていた。

 

ナオミは、ルツを、ボアズという裕福な男性のもとに嫁がせる。ルツはボアズの第三夫人となり、他の夫人たちや姑のナオミに誠心誠意尽くして働き、やがて一児を産む。その子の家族は栄えて大きくなり、曽孫は百人を超えたけど、ルツが一番可愛がったのはダビデであり、彼が王となった知らせを聴きながら、ルツは生涯を終えた……という物語だった。

 

 

印象深いのは、ユダヤ人の律法である。

夫を失って貧困に苦しむ女性たちを救うために、一夫多妻制が保証されている。未亡人が再婚先で男の子を産めば、その子が亡き夫の名で、財産を引き継ぐことになるのだ。それを男性優位の習慣と決めつけるには、男性側の負担が大きすぎる。ルツ記には、ルツを娶ることで前からの妻との夫婦仲に亀裂が入ることを恐れて断る男性も登場する。子供がたくさん増えれば、養うのも大変になる。男性側にとんでもない甲斐性を要求される制度なのは、間違いない。

 

未亡人が夫の兄弟と再婚するという習慣は、たしか、遊牧民の間ではよくあるものだったように記憶している。現代日本人的感覚だとトンデモないの一言に尽きるけど、そうなるべくして成り立ってきた制度なのだろう、たぶん。

 

でも、現代社会で聖書に書かれていることを厳守しようとしたら、日本ならずとも、ほんとに大変だろうとは思う。

 

イスラエルの正統派のユダヤ教徒は、いまでも律法を守っているという。子供のない未亡人は、原則的に亡夫の兄弟と結婚することが推奨されるらしい。また、離婚も困難なのだとか。

 

先日みた映画「オーケストラ!」では、旧ソ連で弾圧されたユダヤ人音楽家の家族がイスラエルに移民していたけれど、現実に、旧ソ連からの移民の生活意識とユダヤ教の戒律との間の摩擦が、いろいろな問題になっているのだという。

 

 

ユダヤ人でも大変なのだから、他の文化圏出身でイスラエルユダヤ教徒と国際結婚する場合は、大変な苦労をするのではないかと想像される。

 

あれ?

でもルツは、モアブ人であり、もともとはユダヤ教徒ではなかったはず。けれどもルツは、ユダヤ教の教えの通りに家族に尽くし、夫の縁者と再婚して、家を再興させ、子孫からユダヤの王を出すに至る。

ルツ記は国際結婚の規範として書き残されたのだろうか。違うか。

 

当初の目的だったダビデ王まで、なかなかたどり着かないけれど、知らないことがいろいろ知れたので、よしとする。