この本を読んだ。
よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 (ヤングマガジンコミックス)
- 作者: いしいさや
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: Kindle版
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よく、お描きになられたと思う。
いまもきっとご自身の人生を取り戻す過程にあるのだろうと思われる、作者の勇気にエールを送りたい。
特定宗教への批判をするつもりはない。よく知らないものを批判はできないから。
知っていることを元に感想を述べるとすれば、これは純然たる児童虐待の記録だと思う。責任者は母親。傍観し続けた父親もほぼ同罪と思う。
虐待であると考える理由は、子どもの意志や感情を極端に否定し、恐怖で縛って心にもない言動をさせ続け、社会適応を阻害し続けることで、結果的に精神的な成長や健康を損なわせたから。その点において、宗教かどうかは関係ないと思う。
思考内容まで含めた禁止まみれの生活は、昨日見た映画「やさしい本泥棒」でナチスがやっていたことと、大差ないような印象だ。全体主義も人間の虐待ということか。
ご両親とは良好なご関係のように描かれているけれども、もしかしたら、宗教に対する裏切り以上に、親を嫌うこと、憎むことがタブーになってしまっているのではないのかと、邪推してしまう。恨むのが普通だろうし、そこを圧殺し続けたら解決しない部分が残るのではないかと思うのだけど、無関係な他人の大きなお世話ではある。
それにしても、宗教が理由になると、ほとんど虐待行為であっても、親の意向が優先されてしまって、学校や児童相談所は守ってはくれないもののようだ。触らぬ神になんとやら、ということだろうか。