湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

健康観察と言語学者と

今朝のドタバタと健康観察

 

見出し文字、デカいな。。。

でもこれより小さくすると、見出しが本文に飲み込まれる気がして、落ち着かない。

なんか飾りをつければいいんだろうけど、そんな知識もセンスもない。

まあいいか。わかりやすいし。

 

 

寝坊した。

息子(もうすぐ二十歳・重度自閉症)が私の枕元の目覚まし時計を、止めたのだ。

目覚ましは、六時に鳴るはずだった。

亭主のiPhoneのアラームが鳴り出したのが、6時半。

起き出してみると、息子はもう布団にはいなくて、風呂に湯を入れていた。

今日はお休みだとカンチガイしたらしい。

月曜日だし、介護施設に行く日だと伝えると、すぐに納得して、入浴に固執することはなかった。やれやれ。

 

寝坊したけれど、入眠も遅かったから、睡眠時間は足りていない。

ゆうべ、睡眠導入剤を飲むのをうっかり忘れて、なかなか寝付けなかったのだ。

 

頭はボーッとするし、全身がだるい。憂鬱な気分(ドツボというほどではない)。

 

ただ、関節の痛みがそれほどでもなかったので、ちゃっちゃと起き上がって、末っ子の弁当を作ることはできた。

 

 

IPhoneが勝手に落ちる不具合

 

中見出しだから、一回り文字を小さくしてみた。 

 

お弁当製作後、息子のショートステイの申し込むために、iPhoneのカレンダーを見ようとしたら、なぜか画面が閉じて真っ黒になった。しばらくすると、パスワードを求める画面が表示され、入力するとすぐに開くのだけど、十数秒もしないうちに、また真っ黒になる。

 

これは噂に聞くバグであるなと思ったので、同じiPhoneを使っている亭主や長女に対処方法を調べてもらった。

 

こういうことだったようだ。

 

www.huffingtonpost.jp

 

 

私のiPhoneは、物忘れ防止のために、頻繁にカレンダーの通知が表示されるようになっている。とくに朝は薬の飲み忘れ、家族の予定などを、繰り返し知らせてくれるように設定している。

 

その通知が作動するたびに、画面が落ちてしまうのだから、おちおちカレンダーも見られない。

 

落ちずにいられる十数秒の間に、大量のアプリの通知許可を全部不許可にすべく、アクションゲームのように指を動かした。

 

それでシャットダウンは起こさなくなったけど、とっても疲れた。(~_~;)

 

 

 

 そして一応くつろぎのひととき

 

 

その後、九時過ぎに息子を送り出し(送迎バスに乗せた)、郵便受けの新聞を取ってから帰宅。

 

お茶などのみながら新聞を読み、投稿した短歌が落選しているのを確認しつつ、どうぶつの森でカレイやイカを釣って住民に分け与え、それから「ふにゃもらけ」に移行してふにゃをバイトに送り出し、さらに「城とドラゴン」を開いてモンスターの育成状況を確認したあと「なめこ」の大群が城に攻め込んでくるのを迎撃し(落城した。なめこ如きに負けた)、さらに新聞を眺めていたら、こんな広告を見つけた。

 

 

f:id:puyomari1029:20171204111031j:plain

 

 

日本の言語学者、田中克彦氏の新刊らしい。

広告のなかに「たたかう言語学者の思考の軌跡をたどる」とある。

 

出勤途中の亭主にLINEで広告を送り、「何とたたかっているのだろう」と聞いてみたらば、

 

「なんとでも闘うひとです」

 

とのことだった。

穴あきくつしたとも、闘っておられたのだろうか。

気になる。

読んでみたいけど、ちょっとお高いご本である。

電子化(Kindle化)もされていない。

亭主の学校の図書館に入るようなら、内容教えてもらおう。

 

 

 

 

言語学者についての補足

 

昨日の日記に書くのを忘れた気がするけど、バーナード・ショーの「ピグマリオン(映画「マイ・フェア・レディ」の原作)の序文に、トンデモ言語学者であるヒギンズ教授の人柄は、ヘンリー・スウィートという実在の言語学者を参考としている、という風に受け止められる説明がある。

 

そのことについて触れている序文を少し引用する。

(読みやすいように改行を入れる)

 

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私がこのテーマに興味を持つようになった一八七〇年代の終わり頃、「視話法(ヴィズィブルスピーチ)」の創案者で有名なアレクサンダー・メルヴィル・ベルはカナダへ移住してしまっており、かの地で息子が電話を発明していた。

 

アレクサンダー・J・エリスは、長老としてロンドンに留まっていたが、いつも頭にビロードのスカルキャップを被っているのが印象的で、公の場で人に会うときはいつも極上の礼儀作法で着帽の非礼を詫びるのだった。

 

彼と、もう一人のベテラン音声学者ティト・パグリアディーニの二人は、到底嫌うことなどできないような好人物だった。

 

ヘンリー・スウィートは、当時まだ若かったが、名前に似合わず、先輩方のような甘く優しい気質を欠いていた。因習的な人間に対して甘いところを見せるとしたら、それはせいぜいイプセンやサミュエル・バトラーと同程度のものだった。

 

音声学者としての能力は高く(私が思うにこの職にある人物の中で最高)、天下に表彰されてこの学問をもっと世に広めることができていたかもしれないが、音声学よりもギリシャ語に重きを置く学会の権威やその他一般の人々に対する悪魔のような侮蔑的態度が仇となった。

 

一度、サウス・ケンジントンに帝国協会が建てられて、ジョゼフ・チェンバレン大英帝国を盛りたてていた頃に、私はある主要な月刊批評誌の編集者を説いて、帝国における音声学の重要性についてスウィートに原稿を依頼させた。

 

原稿が届いてみると、そこにはある言語・文学の教授に対する激しい侮蔑的な攻撃が書かれているばかりで、スウィートは、その教授の椅子は音声学の専門家にこそふさわしいと考えていた。中傷記事であるため、掲載不可能ということで、原稿を送り返すしかなかった。そして、スウィートに脚光を浴びさせようという私の夢も諦めざるを得なかった。

 

その後、随分しばらくぶりに彼に会った時、驚いたことに、もとはかなり見栄えのする若者だった彼は、全くの侮蔑心から自らの外見を変えてしまい、オックスフォードとその伝統すべての「否認の権化」になっていた。きっとそこで音声学の講師職という立場に圧し込められているのが不本意だったに地がいいな。

 

音声学の未来は、彼に心酔する教え子たちに託されることになった。

だが、何をもってしてもこの男を大学の意に従わせることはできなかった。

 

(「ピグマリオン」序文からの引用)

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大変な言語学者がいたものだと思うけれども、このヘンリー・スウィートについての人物描写は、偏屈で変人というところ以外、作中のヒギンズ教授のイメージとは結びつきにくい。

 

ヒギンズ教授はピカリング大佐とは仲良しだったし、皮肉でデリカシーなど微塵も持たない、度しがたい人物ではあったけれど、全体としては快活であり、他人への侮蔑や恨みつらみから容姿まで変わってしまうほど陰険な性格ではないように思われるのだ。

 

ウィキペディアでヘンリー・スゥイートについての記述を読むと、なんと、ヒギンズ教授の本当のモデルは、別人の可能性があるのだという指摘があった。

 

(以下、ウィキベデアからの引用)。

 

バーナード・ショーは自作の戯曲『ピグマリオン』の序文においてスウィートについて長々と触れ、主人公であるヒギンズ教授がスウィート自身というわけではなく、性格も異なるが、スウィートに影響された部分があることは認めている。しかしこの序文には疑問もあり、ライデン大学のビヴァリー・コリンズ (Beverley Collins) とインゲル・メース (Inger Mees) によると、実際にはダニエル・ジョーンズをモデルにしていたが、大学で音声学を教えている実在の人物がモデルであるとわかると不都合なので、序文で故人であるスウィートに言及することでジョーンズに迷惑が及ばないようにしたのだという。

ヘンリー・スウィート - Wikipedia

 

ダニエル・ジョーンズについてウィキペディアの記述を読むと、物語のなかのヒギンズ教授を彷彿とさせる部分がいくつかある。

 

外国語の音声調査。

英語を母国語としない人への発音指導の基礎となるような著書の出版。

理論よりも実用を重んじる態度。

 

けれども残念ながら、人柄が分かるような記述はなく、恩師の姪と結婚したことが書かれているのみだった。

 

ダニエル・ジョーンズ (音声学者) - Wikipedia

 

 

ご本人が発声・録音したと思われる、母音の発音動画があった。

 


The Cardinal Vowels with Daniel Jones

 

ちなみにgoogle翻訳くんは、「The Cardinal Vowels」を「枢機卿母音」と訳してくれたが、意味はなんとなく分かったので、よしとする。主要な母音っていうことだよね。(´・ω・`)

 

 映画「マイ・フェア・レディ」作中で執拗に繰り返される、あの有名な発音練習も、イライザの母音の発音の悪いことを狙い撃ちにしたものだった。

 

The rain in Spain stays mainly in the plain.
「スペインの雨は、主に広野に降る」。

 

 

学生のころ、音声学の講義が苦手で、つまらなくて、試験でも最低な成績を取ったものだったけど、いまこうして、百年前の音声学者たちの業績について、上っ面だけでも知ってみると、大変な時期を経て成立した学問だったんだなあということが分かる。

 

どこにでも録音機を持って行ける時代ではなかった。音声分析のための機械やコンピュータープログラムがあるわけでもないから、すべては音声学者の耳と記憶と判断に拠るところとなる。

 

ヒギンズ教授と同世代の、つまり百年前の言語学者たちが、いまのiPhoneなどの音声認識の能力や、語学アプリの性能を見たら、どんな反応をするのだろう。

 

ヒギンズ教授は、おもしろがって夢中になりそうな気がする。

でも、iPhoneアプリで発音練習をさせられるイライザは、百年前と同じように、ひどい頭痛に見舞われるだろうと思う。だってiPhoneの語学アプリの音声認識、ほんとに厳しいのだ。ヒギンズ教授との違いは、罵詈雑言を吐かずに根気よく褒めてくれることぐらい。

 

 

 ↓昨日の日記

 

dakkimaru.hatenablog.com