昨日の日中は、鬱がドーンと重くなって、何にもできなかった。
夜になって、少しずつ頭が動くようになったけれども、身体はしんどい。
何にもしないで、ただ横になっているよりはと、iPhoneで映画を見ることに。
いつものAmazon prime。
主役の女性の顔を見て、「バグダッド・カフェ」の人かなと思ったのと、「バチカン」の様子が見られそうなので、選んでみた。
写真は楽しそうだけど、コメディではない。
コメディ風のシーンはあるけど、笑えない。
リアルで家族問題が煮詰まってるような人には、神経に障る作品かもしれない。
主人公のオム(おばあちゃん、の意)は、最愛の夫をなくし、遠くに住む長女と同居するために、長く住んだカナダの田舎の家を離れることになる。
ところが長女は、オムを引き取るつもりは全くなく、オムの気持ちを無視して生家を売り払い、相談もせずに老人ホームに入れる手はずを、すっかり整えていた。
オムには、自分の誕生日にバチカンの法王に会って懺悔するという、長年の願いがあり、長女もその旅に同行すると約束していたのに、それも他の予定をぶつけてキャンセルしてしまっていた。
といっても、オムの長女は単なる身勝手な人間というわけではない。過度の心配性で、身内の問題をすべて自分で完璧に管理しなくては気が済まないだけなのだ。長女にとっては、それが愛情の表現なのだが、ひとの話を聞こうとしない彼女に対して、家族はみんな辟易している。
それでも長女の夫は、忍耐強く愛を伝えて、冷えかけている夫婦関係を変えようとしているのに、長女はそれを受け止めず、目先の不安に心を占められて、夫の気持ちをゴミのようにぞんざいに扱ってしまう。
みんなが相手に良かれと思って動いているのに、気持ちがなにも通じ合っていないから、動けば動くほど、お互いを傷つけ合ってしまう家族。
よくあると思う、こういう家庭…。
長女の理不尽な過干渉に傷ついても、オムは何も言わない。自分の娘なのに、奇妙なほど遠慮していている。オムは長女との直接対決をせずに、黙って一人でバチカンを訪問するために、留学中の孫娘を頼ってイタリアへと旅立ってしまう。
ところが、孫娘は学校にもいかず、家族に黙って、だらしのないイタリア男のロック歌手と同棲し、彼のバンドが演奏するガラの悪い飲み屋で働いていた。
家族間の感情的な歪みとすれ違いの元凶は、映画の終わりのほうでオムが告白する、トンデモな過去の「罪」のせいだとわかる。
「罪」を抱えたオムの沈黙と遠慮が、長女を不安定で過干渉な人間にしてしまい、その長女の性格に縛りつけられて育った孫娘が、留学先で暴走してしまったわけだ。
結果的には、オムの告白をキッカケに、女系三代、散々に思いをぶつけ合った末、理解しあい、それぞれのパートナーとも和解して、それぞれが堂々と己が道を行くことになって、物語は終わるのだけど。
体調(鬱)の良くないときに見たからかもしれないけど、なんだか、先行きが心配になった。
オムはバチカンで知り合った詐欺師の運転するベスパで旅立っちゃったけど、その後どうするんだろう。詐欺師、ギャンブルでこしらえた借金山ほどあるらしいのに。
長女はイタリアまで迎えに来た夫と一緒に帰宅したんだろうけど、精神的に一番脆いみたいだし、かなり薬に依存してる様子もあったから、これからなかなか大変そう。
孫娘は、結局浮気なロック歌手と復縁してたみたいだけど、あのロクデナシの男は絶対また浮気すると思う。なんだかな。
それにしても、バチカンも法王も大変だなあ。
ほんとにこんな家族のドロドロが許しを求めて世界中から押し寄せてくるのだとしたら。