動詞「やさぐれる」は、死語寄りの言葉だと思っていたのに、若者向けの文脈のなかで、ちかごろちょくちょく目に入る。
最近では、喬林知「今日からマのつく~」シリーズで使われているのを見た。ヒット中のライトノベルで使われているぐらいだから、若い人の理解語彙に入っているのだろう。なんだか、新鮮な驚きである。
で、語源がどうなっているのかと気になって、某ネット国語辞典を引いてみたら、なんと立項されてなかった。
紙の国語辞典も引きたいけど、書庫まで行くのがめんどくさいので保留してたら、ある方がネット上にある語源由来辞典の記事を教えてくださった。
「やさ」は「鞘」が転じて「家」という意味。「ぐれ」は「外れること」。つまり家出すること、家出人というような意味だったのだが、ライトノベル内の用法では「グレる」とほぼ同じような意味で使われている。
ちなみに、ここの語源辞典によれば、「ぐれる」は「やさぐれる」の「ぐれる」とは語源が違うそうである。「ぐれる」は「蛤」の反転した「ぐれはま」から来たことばで、蛤の貝殻をひっくり返すと合わなくなることから、元々は物事が食い違うという意味だそうだ。
ほんとなのかな。
体力があるときに、別の本も調べてみよう。
それはともかく、「やさぐれる」の語源は、息子の脳の状態に重なるようで、ちょっと面白い。
息子の脳も、神経繊維のミエリン鞘という部分が「外れて」いるため、問題を引き起こしている。
「鞘」から「外れる」という「やさぐれる」は、まさに息子の脳のためにあるような言葉である。
元サヤを目指さねばならない。
(2005年05月09日)
※過去日記を転載しています。