2005年09月08日
いつのまにか、息子(7歳・重度自閉症)が、体をボリボリ掻かなくなっている。体のあちこちをなめることも、なくなった。
乾燥してささくれだったようになっていた、全身の皮膚も、かなりしっとり落ち着いている。
かゆみ、とまったのだろうか。
だとしたら、本当にうれしい。
小麦を含む食品をやめるか、専用の消化酵素剤を飲めば、かゆみはだいぶ抑えられるのだけれど、この半年、それをしないできたのである。
理由は二つ。特殊学級の先生方が全とっかえになって、サプリを給食前に飲ませていただくのを頼みにくくなったというのが一つ。
もう一つは、クレジットカードの個人情報漏洩問題で、海外からのサプリの取り寄せに二の足を踏んでいるため、消化酵素の在庫がなくなってしまったのである。
消化酵素をやめてから、肌の調子は惨憺たる有様だったのだが、それがかなり落ち着いている。この程度なら、このまま酵素なしでもいけるのではないかと思えるほどだ。
最近になって、少しづつ、かわってきたことが他にもある。
「ひろくん、足をきちんとそろえて!」
療育教室の先生に、こう言われても、息子は足をそろえられない子だった。言われていることは分かるのに、足をそろえるにはどうすればいいのか、とっさに分からないのである。足がどこにあるのかさえ、分からなくなっているように見えることもあった。
身体イメージの把握が苦手な子が、自閉症児には多いという。
息子もそれがひどくて、小さいころは、腕を肩より高く上げることさえできなかった。少しづつよくなってはいったけれど、指示された通りに、体の部位を意識して動かすということは、ほとんど出来ない状態のまま小学校に入学してしまった。
それがこのごろ、妙にうまくできるようになっているのである。
「足、そろえて」
の指示に、すぱやくピタッと両足をそろえて、気をつけの姿勢をとれる。
たったそれだけのことだけれど、脳内で、ずっと断線あるいは混線していたであろう、身体イメージの把握と、耳から聞いた指示に動作を連動させるという回路が、どうやらうまく働きだしたらしいことは確かであって、それは息子にとっては、ものすごいことなのである。もちろん、私にとっても。
今年の運動会のお遊戯は、もしかしたら、ちょっと期待できるかもしれない。