湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

色道諸分 難波鉦 (1)

2005年07月01日


というわけで、新シリーズです。

 

 酉水庵無底居士作 「色道諸分 難波鉦」。


テキストは岩波文庫版。
有名な、遊女評判記です。

 

 何年も前、某所で口語訳を作って遊んでいたのですが、当時のログなど全部なくしてしまったので、また最初からやってみます。

 

 原文と口語訳。
 ときどき駄文をはさむこともあるかもしれません。

 ま、一日に数行づつ、ムリせず続けてみましょう。
 目標、二十回。

 

         序

 人更にわかきことなし。然もかげろふのちらりよりもなをあだ也。人世七十古来稀也。身後堆金<手偏に主>北斗共なのに益ぞや。およそ楽しむべくしたふべき道、艶ことに最ならん。上つかたはいふべくもあらず、けふとき野べの末、山のおくまでも、うきもつらきも忘るゝは、此道にこそ。

 

《おなじみの怪しい意訳》


じょじょじょじょーん 


人間は、若返らない。人生はひたすら老いる一方にして、しかもウスバカゲロウのチラリズムな生涯よりも、なお儚い。

 

「人生七十年古来稀也」って、杜甫先生もおっしゃっている。七十年、まともに生きる人間は滅多にいないのだ。

 

それなのに、あくせく働きケチケチ生きて、死後に遺産を積み上げて、何になるというのだろうか。酒飲んで遊んだほうが全然いーじゃん、と白居易センセも力強くおっしゃっている。ハナニアラシノタトヘモアルゾ、「サヨナラ」ダケガ人生じゃーん、酒くらってりゃ最高じゃーんと、これは井伏鱒二センセだっけか。

 

それはともかく、およそ人生において、楽しむべきであり恋い慕うべき道といえば、酒の道。

 

・・・も悪くないけど、それよりさらに上を行くのが、エロの道なんである。
 

雲の上のお偉いさん、大富豪の皆様は言うまでもない。

 

雲の下、それも荒野の果ての人外魔境な僻地に住んでる貧乏人や、超山奥に住む原始のピープルにとっても、憂さつらさを忘れて没頭耽溺できるのが、エロの道なんである。

 

 

 



 

 

⭐︎過去日記を転載しています。

⭐︎転載日…2025年1月3日。