(↑写真はpixabayからお借りしました。)
結婚して東京に出てきたころ、牛久大仏をでっかく印刷した墓地の広告が、しょっちゅう新聞に入っていた。
あれを見るたびに、実家のある仙台に聳え立つ、真っ白な巨大観音像を思い出して、なんとも言えない気持ちになったものだ。
巨大観音像は、新幹線が仙台市街地に滑り込むと、いきなり視界に入ってくるのだけど、帰省するたびに、私は極力あれを目に入れないようにしている。
私には巨大物恐怖症の傾向がある。
高層ビルを下から見上げるのもかなり怖い。
人間は、なんであんな馬鹿デカいを作ってしまうのか。
巨大であることで、何かが救われるというのだろうか。
感覚的に理解できない。
あ、でも、牛久の大仏は、映画に出て大勢の人に笑ってもらって、ちょっと「成仏」できたかも。
仙台の巨大観音は、あれが見えるところにある総合病院に入院中の患者さんたちが、毎朝窓から拝んでいると聞く。そういう意味では人の救いになっているのかもしれない。
(2005年06月13日)