七才になった息子。
よくこうして、外を見ている。
何を考えてるのかは、誰にも分からない。
天気が変わると、急に泣いたり、笑ったりする。
雪や台風が好きで、やむと、また持ってこいと訴える。
最近、急に男くさくなってきた。
別ににおうわけじゃなくて、もう幼児じゃないなあ、と。
なかなか、抱っこもさせてくれなくなった。
そのくせ、私が末っ子を抱いていると、背中にそっと寄りかかって、控えめに甘えてくる。
この写真のシルエットだと分かりやすいが、息子の頭は日本人にはめずらしく、前後に長い。アフリカや中近東の人に多いタイプらしい。
脳外科では「長頭症」と診断された。
頭蓋骨の奇形だという。
その中には、普通の子供より多量な大脳皮質が収納されているのだけれど、ニューロンの絶縁が悪いせいで、正常に機能していない。
だから、息子との暮らしは時間との戦いである。
私が生きている間に、そのニューロンを、どれだけ使えるようにしてやれるか。
まだ勝てる勝負だと、私は思っている。
(2005年4月10日)