息子(5歳・重度自閉症)の言葉のほとんどは、まだオウム返しだけれど、ときどき「対話」になることもある。
「◯◯、おふろだよ」
「おふろ? オッケー」
十日ほど前に、突然「オッケー」の用法に目覚めたらしく、頻繁につかいはじめた。軽~い口調でいうので、いかにも気のいい幼児という感じがする。
人の出入りに伴うあいさつも、ちょっとだけ覚えた。
「ただいま」
「ただいま・・・・・おかえり」
十秒ぐらい考え込むけれど、なんとか言える。
「うんこ出るの?」
「でないっ!」
これは、スパッと速答する。首をぶんぶん横にふるアクションもつく。逡巡してると、トイレにつれていかれるからである。トイレ、きらいなのだ。
切羽詰ると、案外なんでもスラスラ言えるんじゃないかと、私はちょっとうたがっている。
(2003年1月11日)
※過去日記を転載しています。