家族全員に疲れがたまってきているので、きのうは息子(3歳・重度自閉症)の施設もお休みさせて、みんなで一日ゆっくりするはずだった。
ところがそうはいかなかった。
朝、長女さん(5歳・ネフローゼ症候群)におしっこをさせようと思ったら、ぬがせたパンツが血だらけだった。かなりの量の鮮血。一瞬にして顔面蒼白になる自分を感じたが、長女さんを動揺させたくないので、ことさらに元気な声で亭主を呼んだ。が、出た声が明かにヘンだったので、長女さんはすぐに察知して、暗い顔になってしまった。
とにかく主治医に見てもらおうということになり、病院に電話した。主治医は「すぐ連れてきて見せて」と言ってくれたので、おしっこを容器に詰めて、すぐにタクシーで病院に走った。情けないのだが、ちっょと自分で運転する根性は出なかった。
診察の結果、出血性膀胱炎、プラス膣炎でしょう、ということになった。ステロイドを大量に長期間飲んでいると、ばい菌が元気になって、こういう病気が一気に悪化することがあるのだという。
「それって、こんなにたくさん血が出るもんなんですか。見た目、まるで生理ですけど」
「場合によっては、出ます。生理の場合は、小さな子でも、もっとおっぱいが張ったり、毛が出て来たりしますから」
対処法として、一日に二回以上シャワーをあびることと、暑いときにはたくさん水分を取ることを命じられた。毎日風呂に一回入って、普通に飲んで、普通に着替えをする程度では、ダメであるらしい。
生理じゃなくて、清潔の保持ができていなかったということだ。
そう思ったら、果てしなく落ちこんだ。
薬の副作用とはいえ、ムスメにこんな思いをさせるなんて、こりゃ母親失格だな、と思った。
病院から帰ると、息子がうれしそうに出迎えてくれた。このごろは自分が留守番に回ることは滅多になかったから、ちょっと淋しがるかなと思ったけれど、そうでもなくて、マイペースで遊んでいたらしい。
夜はみんなで月蝕を見た。
一晩たったが、落ちこみからはまだ抜け出ていない。
(2001年7月4日)
※過去日記を転載しています。