半日、息子の施設で過ごした。
息子が給食でひどく服を汚したので、手早く着替えをすまそうと思って寝かせてズボンをぬがせていたら、担任がやってきて私を叱った。
「ちゃんと立たせてやってください。いつもそんなふうに着替えてるんですか。このまま、この子がそのまま大きくなっちゃって、いいんですか」
いつも寝かせているわけではない、と私は言ったが、担任には聞こえなかったようだった。着替えの練習は毎日やらせていますし、この子もそれでだいぶ上手になりました、と言ってみたが、それも担任には聞こえなかったようだった。つまり無反応だった。そこで私は息子を立たせて、自分でズボンとシャツを脱がせて、担任に見せた。すると担任は勝ち誇ったように、
「ほら、見てください。出来るじゃありませんか。お母さん、ちゃんとやらせなくちゃ駄目ですよ」
と言った。私は思わず、
「いえ、毎日見てますし、やらせてますけど」
と答えたが、担任は再び耳が遠くなったようだった。
毎日、万事、こんなありさまである。
どうやら私は施設の書いたシナリオの中で、「子供のしつけを全くできない、ダメな母親」という役割を与えられているらしい。息子が何か進歩すると、それは全て施設の手柄になる。何か出来ないことがあると、それは全部私の責任といわれる。
息子が歌をうたったのを担任に報告したときも、
「その歌はここで毎日うたっていたことがありますから」
と言われただけだった。
親と施設が一緒にがんばって、一緒に喜ぶ、というふうにはならないものなのだろうか。
(2001年7月2日)
※過去日記を転載しています。