きのうは、脳を輪切りにする機械に入ってきた。
実に不愉快きわまりない装置であった。工事中の土管にアタマをつっこまされたような具合で、とにかくやかましい。
それに、狭い。
生まれてこのかた借家住まいで狭いところは得意だと思ってきたけれど、甘かった。ベッドごと細い穴に搬入されたときには思わず暴れて逃げ出そうかと思った。
受診の心得?みたいな紙切れに「閉所恐怖症の気味のある方は申し出てください」とか書いてあったけど、誰だって生きたままカンオケに入れられたらうっとおしいに決まっている。
あんなモノはもう二度と御免被りたいのに、今日も明日も入りに行かなければならない。血はいっぱい取られるし、うんざりである。看護婦さんやスタッフの人々がやさしくて感じがよいのが唯一の救いである。
(1996年7月18日)
※過去日記を転載しています。
※出産後、眼球が片方動かなくなる障害が出たため、脳の検査でCTやMRIなどを撮ったのだったと記憶しています。