湯飲みの横に防水機能のない日記

色々壊れてて治療中。具合のよくないときに寝たまま携帯で書くために作ったブログです。ほんとにそれだけ。

歩く日記

 

ウォーキング、頑張っている。

 

頑張ることができるくらい体力が回復している、というべきかも。

 

f:id:puyomari1029:20211019160959j:image

 

新型コロナ後遺症でまともに歩けなかったころを思えば、天国のような気分になる。

 

 

歩いているせいだと思うけど、体脂肪率が少しづつ下がってきた。それも嬉しい。

 

基本的に外出がそんなに好きではないので、出歩きたくない時には、iPhoneをポケットに入れて家の中を歩き回っている。歩数アプリは屋内歩行もちゃんと計測して、消費した脂肪の重さを計算してくれるから、モチベがどんどん上がってくる。

 

 

体調さえ崩さなければ、来年の終わりごろまでに標準体重に到達するのも夢ではないかもしれない。

 

その勢いで、無呼吸症候群や高血圧ときっぱり縁を切りたいところだ。もちろん鬱ともオサラバしたい。

 

 

 

七草とボケ防止……

どうも近頃記憶が怪しい。


ケアマネさんとの待ち合わせ時間を間違えて、一時間も早く待ち合わせ場所に行ってしまったり(同行した長女さんと一時間歩き回って時間をつぶした)。


内科の予約日を一日間違えて病院に行っちゃったり(予約を取り直した)。


今朝は、エプロンの蝶結びをしようとして、とっさに手が動かず、愕然とした。


動作記憶まで怪しくなっているのは、かなりまずい。

一番恐ろしいのは、運転中にそれが起きることだ。事故まっしぐらなイメージしか湧いてこない。

 

積極的に運動しよう。


そして、記憶力もガンガン使おう。

 

というわけで、一日ひとつ、何かを覚えることにした。

 

昨日はいわゆる「七草」を復習した。


食べることのできる「春の七草」は、ちゃんと覚えていたけれど、通常食用とはしない「秋の七草」が、全く出てこない。

 

山上憶良の歌を調べなおして、一日中、暇さえあれば唱えていた。

 

はぎのはな~
おばなくずばな 
なでしこのはな~
おみなえし~
またふじばかま~
あさがおのはな~


読み上げてしてちょっとゴロが悪い感じがするのは、五七七五七七の旋頭歌の形式だからだ。

 

山上憶良の、秋の野の花を詠みし歌二首

 

秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花

 

萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花

 

(「万葉集」巻二 1637、1638)

 

 

朝顔秋の七草とすることには違和感を覚えるけれども、似た形の桔梗や木槿(むくげ)だったのではないかという説もあるとのこと。

 

ふむふむ、覚えた。
と自信を持って昨夜は就寝。


ところが一夜明けたらどうしても一つだけ花が出てこなくなっていた。



尾花(ススキ)
葛花
撫子
藤袴
朝顔


あと一つ、なんだったか……。


介護施設に行く息子を送迎バスに乗せたあと、近所をぐるぐる歩き回って歩数を稼ぎながらうんうん唸って思い出そうとしたけれども、どうしても出てこない。


帰宅して亭主に聞いて、抜けたのが女郎花だと判明。

 

食に結びつかないと、どうにも記憶しにくいので、無理やり結び付けることにした。

 


ハギ……萩といえば仙台銘菓「萩の月」。私の大好物。根が漢方に用いられ、のぼせなどに効果があるとか。


ススキ(尾花)……天ぷらにして食べられるらしい。


クズ……肥大した根っこが葛粉の材料。葛餅も葛湯も大好物。春先の若いつるの先端部も食用になるらしい。


ナデシコ……利尿などの薬効があるらしいけれど、昔は種子を妊娠中絶薬に使っていたそうで、妊婦には禁忌とのこと。花は甘いらしい。


オミナエシ……乾燥させると醤油の腐ったにおいがするらしい。根が漢方に用いられ、産後の肥立ち、利尿、解毒などに効くとか。


フジバカマ……漢方に用いられ、利尿などに効果があるとか。

 

キキョウ……根を生薬として利用するらしい。漢方でも咳や啖を抑えるために処方されるのだとか。食用にもなり、根は漬物、若芽や花は天ぷらでおいしくいただけるとか。

 

 

料理になるものは記憶できそうな気がするけど、漢方だけのものは明日にはまた忘れる予感がする。

 

 

↓大好物の仙台銘菓「萩の月」。物産展で見かけるとつい買ってしまう。

 

山上憶良の七草の歌が載っている「万葉集(二)」(岩波文庫)

 

おうち新聞

昨日は長女さんの就労継続支援(B型)施設での、お試し利用の初日だった。

 

すごくいろんなことがあったので、文章にする気力を溜めるのが大変だなと思っていたら、長女さんが、昨日の出来事を簡潔に「しんぶん」にまとめていたので、許可をもらって転載させてもらうことにした。

 

f:id:puyomari1029:20211019094350j:image

 

働いてきた。

目が回った

とりあえず まずは つかれた

 

「目が回った」とあるのは、視覚過敏で気持ち悪くなってしまったため。

 

衣料品の検品の作業だったのだけど、黒っぽい布地のものに白い糸屑がついているのを取り除いたり、細長いタグがぴらぴらしていたりしたため、ゲームの画面酔いのような状態になってしまったのだ。

 

 

長女さんは、視覚などの感覚過敏や過剰な記憶、睡眠障害、対人関係での齟齬など、さまざまな困りごとを抱えていて、幼少期からそれらに振り回され続けて暮らしている。

 

他の子どもや大人のように、テレビやゲームなどの映像娯楽を楽しむことができない。

 

音楽が好きでも、ライブなどに行くと過剰や音声や人混みのせいで気持ちが悪くなってしまう。

 

処理の追いつかない刺激に満ちた学校や職場は、長女さんにとっては毒沼みたいな環境だったのかもしれない。不登校だったり、辞めてしまうことになったりしたのは、適切な回避だったのだと今は思う。

 

退院後の就労については、主治医とも話し合って、過剰な刺激がなく、人間関係がほどほどで、自分のペースでできる場所を探すべきだということになっていて、ケアマネさんもその方向で探して下さった。

 

そして昨日お試しした就労継続支援施設は、まさに自閉症向きのところだった。

 

穏やかな色合いの内装がほどこされた静かな作業場には、音質のいいゆったりとしたBGMが流れていて、照明もやわらかでチラつかず、変な匂いなども全くなかった。

 

スタッフの方々も、作業指導や体調の確認など、最小限の語りかけだけするようにしているようで、余計な世間話などは一切しない。利用者さん同士の会話もほとんどない。話をしながら作業したい方々には、別室が用意されているという。いわゆる雑談の苦手な長女さんにとっては、理想的な関係性だと思う。

 

視覚過敏で目が回ってしまった後、スタッフさんがベッドのある休憩室に案内してくれた。施設内の自販機でリンゴジュースを買って飲ませ、しばらく休んだら立ち上がれるようになったので、ご挨拶をして帰宅した。

 

スタッフさんに視覚過敏で気持ちが悪くなったことを伝えたところ、次はもっと目に優しいお仕事を用意してくださるとのことだった。

 

「しんぶん」に、

 

ーー今日のめしーー

  ☆すごぼう

  ☆その他

 

とあるけど、正確には、「豚しゃぶ、酢牛蒡、キャベツの味噌汁、トマトサラダ、柿、ごはん」(亭主作)だった。

 

ごぼうがあまりにも特異的に美味しかったのは間違いないので、他がかすんだのかもしれない。

 

 

 

本棚の百合、試された勇気…

長女さんが、家で絵を描くときのインスピレーションの燃料になりそうな本が欲しいという。

 

退院したばかりの長女さんが人混みを出歩くのは厳しいので、買い物代行を買って出て、運動がてら駅ビルの書店に出かけた。

 

長女さんのリクエストは、ふんわりファンシーでラブリーな女の子の絵が載っている本だった。

 

最寄りの駅ビルの書店はそこそこ大きいけれども、文具など、書籍以外の商品スペースが増えたかわりに、以前置いていた画集などの棚が縮小化して、イラスト系の本が消えてしまっている。

 

それで、アンソロジー系の漫画雑誌から、長女さんのお眼鏡に叶いそうなものを探したのだけど……

 

該当しそうなのが、この一冊だけだった。

 

コミック百合姫 2021年11月号」

 

f:id:puyomari1029:20211018105348j:image

 

 

百合姫………

 

 

かつてBL本を湯水のように読んでいた私だけど、すべてAmazonブックオフの宅配サービスか、Kindleで購入していたから、ナマの本を手に取ってレジに持って行って買ったことは、ほとんどない。そのあたり、とっても小心者のなのだ。

 

そして大量の腐女子系蔵書をブックオフに売るときには、濡れ衣要員の末っ子を盾にして、自分は陰にこそこそ隠れていた。結果的に、本を売ったお金の大半は、手伝いと盾役の報酬として末っ子の財布に収まった。

 

 

で、百合雑誌である。

 

 

BL本の表紙のようなドギツさはない。

 

シックなデザインだから、書店の中で手に持って歩いても、そんなに目立たないとは思う。

 

 

でも、なんというか……ものすごく恥ずかしい(;_;)。

 

 

ファンシーともゆるふわとも程遠い見てくれの還暦手前のオバさんが、いそいそとレジに持って行きたい本ではない。BL本とは別種の敷居の高さがある。

 

 

末っ子がいるなら有無を言わさず濡れ衣要員に駆り出すけれども(そして小遣いをたっぷりせしめられるのだけれども)、学校にいるから盾にできない。

 

レジに持って行く勇気が出ないまま逡巡していたら、初老の男性が脇に立ったので、百合雑誌を棚に戻して数歩離れた。

 

男性が立ち去ったら、改めて勇気を振り絞ろうと思ったのに、なぜか次々と初老の男性がやってきて、入れ替わり立ち替わり百合雑誌のそばで立ち読みを始めるので、なかなか再挑戦のタイミングがつかめない。

 

おじさんたちは一体何を読んでいるのかと思って、ナナメ後ろからさりげなく覗きこんだところ、どの方も女性週刊誌の皇室の御方のご結婚問題の記事を開くようだった。

 

 

 

 


この方面のことはうちでは全く話題にならないので、ご結婚が間近なことすら知らなかった。



おじさん世代、そんなにこの話題に興味があるのだろうか。それとも、たまたまそれを読みたいおじさんたちが、同じ書店に集まったのか。

 

 

結局15分ほど待って、おじさんが途切れた隙に雑誌「百合姫」を素早く棚から抜き取り、マスクを顔全体に広げる勢いで引き伸ばしてから、レジに向かった。

 

 

そうしてようやく手に入れた「コミック百合姫2021年11月号」は、長女さんに大好評だった。

 

そのうち、こっそり読ませてもらおう。

 

 

 

 

 

 

今日の本棚「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」

 

「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」(ウンベルト・エーコジャン=クロード・カリエール

f:id:puyomari1029:20211017181952j:image

 

 

絶滅を意識しているからなのか、ヤケクソのように分厚い本になっている。

 

最初のほうに出てきた会話をちょこっと引用。

 

しかしながら、今の携帯電話ですとか、iPodなんかの活躍の可能性は果てしない広がりを見せていますね。

 

聞いた話では、日本人は、携帯電話で小説を執筆して、それを携帯電話で配信したりもしているそうですね。

 

(33〜34頁 ジャン=クロード・カリエールの発言)

 

 

ここで言われている「携帯電話」はスマホではなくて、いわゆるガラケーのことだと思う。

 

今世紀に入ったばかりの頃、ガラケーで読むことができる連載小説が存在していて、私も少し読んでみたことがある。1話が短いので、手軽に読める反面、ちょっと物足りなく思ったりもした記憶がある。

 

このジャンルの小説の発祥や推移について、ウィキペディアの「ケータイ小説」のページにかなり詳しく書かれている。それによると、携帯電話(ガラケー)で小説が読み書きされ、書籍化までされるという現象は、日本にしか存在しなかったらしい。

 

日本人のガラパゴス化現象は、携帯電話だけでなく、文学活動にも及んでいたようだ。

 

ケータイ小説はその後衰退したけど、「小説家になろう」などの作品投稿サイトはとても元気で、いろいろな文学賞なども設定されて、読者の心をつかんだ作品が次々と書籍化されて書店に並ぶようになっている。

 

そういう流れを見ると、電子媒体で発表される小説が、紙の書物の存続を支えている形になっているけれど、私のようにネット版とKindle版しか読まない読者も少なくないだろうから、紙の書物の未来がどうなっていくのかは、ちょっと分からない。

 

 

 

(_ _).。o○

 

 

この日記の写真を撮るために飾るものを集めていたら、枕元がだいぶにぎやかになった。というか、だんだん雑木林みたいになりつつある。

 

そういうもののアレンジメントの才能がないからだけど、それはそれで気に入っている。枕元に雑木林のミニチュア。いいじゃん。

 

 

蛇足だけど、「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」は、Kindle版も出発されていて、そっちのほうが862円安い。